2017年 住宅リフォーム市場回復
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業界ニュース
2017年の住宅リフォーム市場は5兆7500億円、前年比2%増となり、前年までの3年連続減から回復に転じたとする調査結果をこのほど住宅リフォーム・紛争処理支援センターがまとめた。主なリフォーム部位に「給水・給湯」をはじめ管材・設備機器分野があげられている。一方、17年度の同センターへの住宅全般の新規相談件数は前年度比7%減少し、うちリフォームに関する相談も3%減少した。
リフォーム市場規模5兆7500億円は、増築・改築工事費および設備などの修繕維持費の「狭義」のリフォーム額を集計したもの。新設住宅に計上される増築・改築工事とエアコンや家具などのリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品などの購入費を含めた「広義」のリフォーム市場は6兆8700億円、前年比1%増加した。
同センターの集計によると、「狭義」のリフォーム市場は13年の6兆1000億円をピークに14年に前年比1%減、15年に同2%減と減少を続け、16年は同5%減と減少幅を広げて3年連続減となっていた。「広義」のリフォーム市場も同様の経過を辿っていたが、17年には両方とも下げ止まった。
「狭義」のリフォーム市場規模の上位都道府県は、東京の7354億円が抜け出て、以下、神奈川4454億円、大阪4387億円、埼玉3483億円、千葉3073億円、北海道2958億円、愛知2740億円、兵庫2620億円の順。
一方、17年度に同センターに寄せられた住宅関連の新規相談件数(第1回目の相談)は2万8142件で前年度比7%減少した。うち「新築など住宅に関する相談」は1万8570件で9%減、「リフォームに関する相談」は1万138件で3%減となった。
相談者の区分をみると、「消費者」からの相談が84%を占めている。また、主に消費者からの相談を受ける「消費生活センター・地方公共団体」からの相談は7%であった。「事業者」からの相談は6%となっている。
相談内容は、住宅の不具合や契約に係る「住宅のトラブルに関する相談」は「新築住宅等」で86%、「リフォーム相談」が95%と圧倒的。また、住宅のトラブルに関する相談について生じている不具合事象(複数カウント)をみると、戸建て、共同の住宅形式によらず「ひび割れ」が最も多い。次いで多いのは戸建て住宅で「雨漏り」(屋根、外壁)と「性能不足」(設備機器、開口部、建具)など。共同住宅では2位に「漏水」(給水・給湯配管、設備機器、排水配管)、3位も「性能不足」(設備機器=剥がれと同率3位)で、配管や設備機器設置の施工不良とみられるものが上位にランクされている。
リフォームの主な目的(複数カウント)の割合を住宅形式別にみると、戸建て住宅では「部位の修繕」(70%)、共同住宅では「部位の更新」(55%)が最も多く、大半を占めている。主なリフォーム部位(複数カウント)は戸建て住宅で「屋根」(55%)が最多で、次いで「外装」(42%)、「内装」(25%)の順。共同住宅では「内装」(49%)が多く、このほか「屋根」(31%)、「外装」(30%)など。また、戸建て住宅では「給水・給湯」(4位)、「トイレ」(5位)、「排水」(6位)、「浴室」(7位)と本紙関連分野が揃っている。共同住宅では「浴室」(5位)、「給水・給湯」(6位)、「キッチン」(7位)の順となっている。
管材新聞 2018年11月14日 第1755号より抜粋
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