今年度設備投資計画 大企業で8年連続増加
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業界ニュース 全国設備投資計画調査
日本政策投資銀行がこのほどまとめた大企業(資本金10億円以上)の全国設備投資計画調査結果(6月調査)によると、2019年度の国内設備投資計画は製造業、非製造業とも前年度実績を上回り、全産業で前年度実績比11・5%増の21兆5745億円、8年連続の増加となった。製造業では自動車のモデルチェンジ対応の投資や電子・電池材料の投資増加、非製造業では都市機能拡充に向けた投資や物流投資などが増加する見通しだという。
今回の調査結果(国内投資の前年度比較対象可能2016社)では、製造業の19年度国内設備投資計画は7兆5079億円、前年度実績比13・5%増と2ケタ増を示した。
引き続き、自動車の電動化などのモデルチェンジ対応の投資に加え、化学や非鉄金属、電気機械などで自動車向けを含む電子・電池材料の投資が増加する見通しだ。
食品(増減率=18年度6・4%増→19年度11・6%増)は、IOT活用を含む合理化投資に加え、高付加価値化製品投資により、引き続き増加する。
化学(25・5%増→17・8%増)は、研究開発拠点の整備に加え、電子・電池材料などの高機能化や化粧品・日用品の増加があり、2ケタ増となる。
石油(15・8%増→24・1%増)は、製油所やシステムの合理化などのほか、海洋環境規制に伴う投資があり、3年連続で増加する。
鉄鋼(7・2%増→15・6%増)は、コークス炉の改修などの継続工事に加え、自動車向けの投資が幅広く見込まれることから2ケタ増となる。
非鉄金属(10・1%増→38・7%増)は、自動車、電子機器・半導体向けなどの能力増強が広範にあり、大幅増となる。
一般金属(14・9%増→1・4%増)は、産業用機械などの大型投資が一巡するものの、航空機関連や金属加工機械の能力増強に加え、開発拠点整備が広くみられ、増加する。
電気機械(9・1%増→6・4%増)は、自動車の電装化や産業用ロボット向けの能力増強のほか、データ通信の高速・大容量化に対応した新製品投資がみられることから引き続き増加する。
精密機械(11・6%増→24・9%増)は、半導体製造装置の工場新設が継続し、医療機器の能力増強投資により、増加する。
自動車(14・7%増→12・4%増)は、モデルチェンジ対応投資に加え、電動化関連の能力増強などCASEに対応した投資により、引き続き増加する。
非製造業の19年度国内設備投資計画は、14兆665億円で、前年度実績比10・5%増と堅調に推移する見通しである。非製造業では、運輸、不動産などの都市機能拡充に向けた投資や人手不足に対応した店舗、物流投資が続くほか、デジタルインフラ整備に向けた投資も継続する。
卸売・小売(8・1%増→11・4%増)は、百貨店の大型投資が一巡するものの、コンビニの省力化投資やスーパーなどの店舗投資により、引き続き増加する。
不動産(19・1%増→16・3%増)は、商業施設が減少するものの、都市部大型開発が牽引し引き続き増加する。
運輸(18・2%増→16・3%増)は、鉄道の高速化工事・安全対策工事の拡大や不動産開発のさらなる増加に加え、国際空港の施設拡充と物量施設整備が継続することから3年連続で増加する。
通信・情報(8・0%増→4・6%増)は、固定通信は減少するが、データセンター投資や5Gを見据えた基地局・ネットワーク整備継続し、3年連続で増加する。
サービス(13・2%増→20・8%増)は、ホテルは鈍化するものの、訪日客の取り込みなどを目的としたテーマパークの積極的な投資により、5年連続で増加する。
管材新聞 2019年8月28日 第1783号より抜粋
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