冬季は入浴事故にご注意! 住設でヒートショック予防の提案を
公開日:
:
業界ニュース
まもなく1年でもっとも寒い「大寒」を迎えるが、この時期に気をつけたいのがヒートショックによる入浴事故だ。厚生労働省の人口動態統計によると、家庭の浴槽での溺死者数はここ数年5000人前後で推移。10年以上前の04年比では約1.7倍に増加しており、社会問題となっている。
ヒートショックとは、急激な温度変化が血圧を大きく変動させ身体に負担をかけることで、多くの日本の住宅では、冬場の入浴は暖かい居間から寒い廊下・脱衣所を経て浴槽で温まり、再び寒い脱衣所に出るという激しい温度差にさらされるため、心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などの突然死に至る危険がひそんでいる。
前述の数字の約9割は65歳以上の高齢者。こういったシニア層が多く住む築20年以上の戸建て住宅は在来工法の浴室が多く、その約8割がヒートショックリスクの高まる「暖房のない浴室」であると東京ガスが15年の都市生活レポートで指摘している。
最近ではヒートショック対策機能を備えたさまざまな住設機器が登場。温度のバリアフリー化を実現し、「健康」「安全」を提供する商材の幅が広がっている。
【ヒートショック対策】 「STOP! ヒートショック」 東京ガスなど8社が啓発活動
近年、社会問題のひとつとして注目されはじめたヒートショックに関する正しい理解の浸透と対策を促進するため、「STOP! ヒートショック」と名付けた啓発活動がこのほどスタートした。東京ガスが幹事となり、これに賛同したコロナ、セコム、TOTO、ノーリツ、パーパス、LIXIL、リンナイの計8社が参画。ポスターやリーフレットにより認知を広げ、一人でも多くリスクを回避できるよう働きかける。
同リーフレットでは、冬場の入浴事故と血圧の関係性を示し、ヒートショック対策として、
- 湯はり時に浴室を暖める
- 脱衣室も暖めておく
- 湯温設定は41度以下に
- お風呂前に水分を取る
- 入浴前に家族に一声かける
- かけ湯をして体を温めて入る
- 入浴は10分以内
─の7つをポイントに挙げ、奨励している。
また、発信活動の一環で、日本気象協会などが運営する天気予報サイトtenki.jpで、「ヒートショック予報」や「クイズで学ぼう STOP! ヒートショック」といったコンテンツを公開している。
管材新聞 2018年1月17日 第1726号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
積水化学 環境・ライフラインカンパニー管轄の子会社統合 「東日本積水工業」設立
積水化学工業 環境・ライフラインカンパニーは4月2日、関東~東北エリアの生産拠点を再編し、100%出
-
-
「Japan IT Weekジャパン」に日栄インテック出展
「Japan IT Week【春】」(リード エグジビション ジャパン主催)が5月11日~13日の3
-
-
化学産業総合展開催 管材・機器メーカーも多数出展
化学産業を中心とした総合展「INCHEM TOKYO2015」(主催:日本能率協会、化学工学会)が2
-
-
TOTO 宮島に官民協働で「おもてなしトイレ」
TOTO(社長喜多村円氏)は、広島県廿日市市(市長眞野勝弘氏)と協働し、世界遺産・嚴島神社を有する宮
-
-
「エコ対応の管材」 協成 塩ビ外面被覆鋼管『キーロンVF』
防食管の代名詞として高い採用実績を誇る硬質塩化ビニル外面被覆鋼管「キーロン消火用VF」。 ◆キ
-
-
水道管の耐震適合率 16年度末 全国平均38.7%
厚生労働省がこのほどまとめた2016年度末(平成29年3月末)時点の水道管耐震適合率は全国平
-
-
17年上期工場立地 件数、面積とも増加 件数は3年前水準まで回復
2017年上期(1~6月期)の「製造業等」の全国工場立地件数は前年同期比9%増加し、立地面積
-
-
昭和バルブ製作所 バルブ販価引き上げ
昭和バルブ製作所は、6月12日出荷分からバルブ製品の販売価格を7%~10%引き上げる。 対象製品と
-
-
積水化学 塩ビ管など値上げ 5月22日出荷分から15~20%以上
積水化学工業は、塩化ビニル管および関連製品などの価格を5月22日出荷分から改定(値上げ)すると発表し
-
-
住宅リフォーム市場 毎年6兆円の需要創出
矢野経済研究所はこのほど、国内住宅リフォーム市場の調査結果を発表した。それによると、2017年の住宅