今年度設備投資計画 大企業で7年連続増加
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日本政策投資銀行がこのほどまとめた大企業(資本金10億円以上)の全国設備投資計画調査結果(6月調査)によると、2018年度の国内設備投資計画は製造業、非製造業とも前年度実績を大きく上回り、全産業で前年度実績比21.6%増の19兆7468億円、7年連続の増加となった。伸び率としては1980年度以来、38年ぶりの高さとなる。製造業では能力増強・省力化投資が広範な業種で増加するとしている。非製造業でも都市機能拡充に向けた投資や人手不足に対応した物流投資などが増加するとしている。
同調査ではこれまで計画値が実態より大きく出る傾向が続いている。17年度は当初は前年度比11.2%増だったが、実際は2.3%増にとどまった。計画の見直しや工期遅れなどが影響しているが、それでも従来の傾向を踏まえると10%増程度にはなるとみられている。
今回の調査結果(国内投資の前年度比較対象可能2059社)では、製造業の18年度国内設備投資計画は7兆4126億円、前年度実績比21.3%増の高い伸びを示した。
製造業では、ウェイトの大きい輸送用機械で電動化を含むモデルチェンジ対応の投資や研究開発投資が増加するほか、化学や電気機械など広範な業種で自動車向けを含む能力増強・省力化投資が増加する計画であり、5年連続の増加となる。
食品(増減率=17年度8.8%増→18年度27.9%増)は、合理化投資に加え、健康志向を受けた高付加価値食品投資があり、大幅に増加する。
化学(0.6%減→29.3%増)は、自動車向けや研究開発投資が引き続き増加することに加えて、日用品や電子・電池材料向けの投資が増加することから大幅増となる。
石油(4.6%増→46.6%増)は、流通設備や発電設備への投資に加え、製油所の維持補修もあり、大幅に増加する。
鉄鋼(7.3%増→5.2%増)は、コークス炉の改修などの継続工事に加え、自動車向けの投資が広範に見込まれることから3年連続で増加する。
非鉄金属(24.4%増→37.9%増)は、自動車、電子機器向けに加え、半導体向けの能力増強により、2年連続で大幅増となる。
一般金属(0.6%増→21.7%増)は、産業用機械および一般機械部品を中心に能力増強投資が幅広くみられ、大幅増となる。
電気機械(4.4%減→34.1%増)は、自動車の電装化や省エネ需要を背景としたパワー半導体などの電子部品に加え、有機EL関連の能力増強投資がみられ、増加に転じる。
精密機械(7.4%増→30.4%増)は、新工場建設など半導体製造装置の能力増強投資により、増加する。
自動車(1.5%減→30.6%増)は、電動化を含むモデルチェンジ対応に加え、IoTを活用した合理化・省力化投資やCASEなどの次世代技術を見据えた研究開発拠点の整備などにより、増加に転じる。
非製造業の18年度国内設備投資計画は、前年度実績比18.5%増の12兆3343億円と堅調に推移する見通し。
運輸、不動産の都市機能拡充に向けた投資や卸売・小売の店舗投資が拡大するほか、サービスのインバウンド対応の投資が続くとみられる。人手不足に対応したコンビニや物流施設の省力化が下支えし、7年連続の増加となる。
卸売・小売(2.1%減→26.2%増)は、百貨店の旗艦店投資の増加やコンビニの省力化投資などの継続に加え、総合スーパーなどで店舗投資が増加することから大幅に増加する。
不動産(0.3%減→26.5%増)は、国際ビジネス拠点・大型複合施設など都市部大型開発案件の投資を主体に増加に転じる。
運輸(3.9%増→26.2%増)は、鉄道の高速化工事・安全対策工事の拡大や不動産開発のさらなる増加に加え、航空機取得や物流施設整備の増加もあり、大幅増となる。
通信・情報(1.6%増→4.3%増)は、移動通信で基地局整備が継続することに加え、固定通信でネットワーク整備などが増加することから引き続き増加する。
サービス(16.8%増→23.8%増)は、訪日客が増加する中、ホテルに加え、付加価値向上に向けたテーマパークの旺盛な投資により、4年連続で増加する。
管材新聞 2018年8月22日 第1748号より抜粋
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