1月の東京地区管材景況 売上・粗利の停滞続く 景況感一気に冷え込む
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業界ニュース
東京管工機材商業協同組合はこのほど、今年1月の「管工機材商景況動向」を発表した。
それによると、前月プラス5.7ポイントだった景況感は、「好況」回答が大きく下降し「悪い」回答が上昇した結果、「好況」から「悪い」を差し引いた数値はマイナス52.9ポイントまで一気に下降した。売上高の「増加」回答は集計6品目中上向き2品目・下降4品目で平均ではごくわずかな上昇、「減少」回答もわずかに下降した。全体の「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値は前月に続きマイナスを示し、その数値は前月のマイナス4.9ポイントからわずかに縮小しマイナス4.7ポイントだった(2カ月連続「減少」超)。粗利益額の「増加」回答も上向き1品目・下降4品目(横ばい1品目)で、合計値は4.3ポイント下降し、「減少」回答が8.6ポイント下降した結果、こちらも2カ月連続の「減少」超だった(マイナス3.7ポイント。前月マイナス8.0ポイント、前々月プラス13.9ポイント)。1月は売上高.粗利とも多くの品目で「増加」回答が下降しており、景況感の下向き傾向が続いた。
1月調査結果の概要は次の通り。カッコ内は前月実績。
全般的景況
▽全体的に好況…0.0%(0.0%)
▽部分的に好況…5.9%(27.8%)
▽全般的に普通…35.3%(50.0%)
▽部分的に悪い…41.2%(11.1%)
▽全体的に悪い…17.6%(11.1%)
「全体的に好況」が2カ月続いてゼロを示し、「部分的に好況」が21.9ポイント下降した。「全般的に普通」は前月の50.0%から35.3%に下降した。一方、「部分的に悪い」が前月の11.1%から30.1ポイントも上昇し前月11.1%だった「全体的に悪い」が17.6%に上昇した結果、「悪い」は36.6ポイント上昇した。これにより「好況」(5.9%)から「悪い」(58.8%)を差し引いた数値はマイナス52.9ポイントで、3カ月ぶりにマイナスに沈み、その沈降幅は58.6ポイントもの大きさだった。11月に大きく持ち直したようにみえた景況感だが、12月と1月の沈下幅が大きいことから、景況感は一気に冷え込んだように見える。
資金繰り
▽好転…0.0%(5.6%)
▽変わらず…100.0%(88.9%)
▽悪化…0.0%(5.6%)
2カ月連続で5.6%だった「好転」回答がゼロに沈み、前月ひさびさに現れた「悪化」回答もゼロとなり、昨年9月以来の「変わらず」100%だった。
売上高
「増加」は21.0%、「減少」は25.2%で差し引きマイナス4.2ポイント(前月マイナス4.9ポイント)で、2カ月連続「減少」超だったが、その数値はわずかに縮小した。前月比で「増加」は0.1ポイント上昇し、「減少」が0.6ポイント下降した(「変わらず」は0.4ポイント上昇)。内訳をみると、「増加」回答は「住設商品」が5.9ポイント、「ポンプ」が18.7ポイント上昇し「化成品・塩ビ」が横ばいだったほか3品目が下降した(幅は「管継手バルブ」5.5ポイント~「水栓衛陶」11.7ポイント)。「減少」回答は「管継手バルブ」「化成品・塩ビ」が各11.1ポイント上昇したほか4品目が下降した(幅「空調機器」6.7ポイント~「ポンプ」18.8ポイント)。「増加」回答から「減少」回答を引いた値はプラス2品目(「空調機器」「ポンプ」約13ポイント)、「住設商品」が横ばい、マイナス3品目(「化成品・塩ビ」5.6ポイント、「管継手バルブ」22.2ポイント、「水栓衛陶」23.5ポイント)。
平均値で「増加」回答が上昇、「減少」回答が下降したが、いずれも小数点以下の変動であり、前月の停滞傾向が続いたとみてよい。
粗利益額
「増加」回答(合計17.4%)は「ポンプ」が13.7ポイント上昇し「化成品・塩ビ」が横ばいだったほか4品目が下降し(幅は「住設商品」5.1ポイントから「水栓衛陶」17.6ポイントまでばらついた)、合計では前月比4.3ポイント下降した。「減少」回答(合計21.1%)は「化成品・塩ビ」が横ばい、「水栓衛陶」が5.9ポイント上昇したほか4品目が下降し(幅「管継手バルブ」5.5ポイント~「住設商品」16.2ポイント)、全体では8.6ポイント下降した。「変わらず」は61.6%で12.9ポイント上昇した。「増加」から「減少」を差し引いた数値は前月のマイナス8.0ポイントからマイナス3.7ポイントに縮小した(2カ月連続マイナス)。
1月は12月に対し、売上高・粗利とも「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値のマイナス幅が縮小しているが、売上高は各回答の数値の変動幅が小さく停滞傾向のまま横ばい、粗利も「変わらず」回答の上昇幅が大きく売上高同様停滞が続いているようにみえる。各品目の「増加」回答の動きをみると、売上高・粗利とも上昇した品目は「ポンプ」のみ、「住設商品」は売上高が上昇し粗利が下降、「化成品・塩ビ」は売上高・粗利とも横ばい、ほか3品目は売上高・粗利とも下降した。
販売価格
「上昇」回答は、前月5.6~6.7%だった5品目がゼロに沈み、ゼロのまま横ばいの「ポンプ」とあわせ全品目ゼロだった。「下落」回答は上昇2品目(幅「管継手バルブ」5.5ポイント、「化成品・塩ビ」5.6ポイント)、下降3品目(幅「住設商品」5.5ポイント~「空調機器」「ポンプ」6ポイント台前半)で全体では5.0%(1.2ポイント下降)。「上昇」から「下落」を差し引いた数値は4カ月連続の「下落」超(マイナス5.0ポイント、前月比3.8ポイント拡大)となった。
引続きすべての品種で「変わらず」が多くを占め(「管継手バルブ」88.9%、3品目が約93~94%、「水栓衛陶」「ポンプ」各100.0%)、全体の数値は前月比6.1ポイント上昇し95.0%だった。
在庫額
「増加」が5.1%(前月比6.8ポイント下降)、「減少」は7.9%(4.9ポイント下降)、「変わらず」87.1%(11.7ポイント上昇)であった。品種別動向でも在庫額は「変わらず」回答が最も高い比率を維持している。「変わらず」回答は6品目とも上昇(幅「空調機器」6.7ポイント~「水栓衛陶」17.6ポイント)。「増加」回答は「住設商品」「空調機器」が横ばい、ほか4品目が下降(幅「化成品・塩ビ」5.5ポイント~「管継手バルブ」16.7ポイント)。「減少」回答は「管継手バルブ」「ポンプ」が横ばい、ほか4品目が下降(幅「化成品・塩ビ」5.5~「水栓衛陶」11.7ポイント)。
管材新聞 2019年4月10日 第1770号より抜粋
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