キッツスマート養殖 マダイの長期飼育とプラント運用試験に成功
公開日:
:
業界ニュース
キッツはこのほど、陸上で魚を養殖するプラントを独自に開発し、マダイの長期飼育および同プラントの自動制御・遠隔監視システムの運用試験に成功したと発表した。
同社が2012年6月から取り組んできた活動「キッツウォーターソリューションズ」の成果で、電気的に生成したラジカル反応(有機化学反応のうち、反応過程でラジカル──遊離基──が関与する反応)を用いて水を循環浄化するシステム。同社はこの成果を踏まえ、「キッツスマート養殖」として16年度から養殖プラント市場に参入する。
需要の高まりと天然資源の不足を踏まえ、15年度に国際的な水産市場に出回る魚の約半数を養殖魚が占め、その傾向がさらに加速すると予想されている。一方、いけすを使用した海面での養殖では、海洋汚染や自然災害(台風・赤潮など)の回避と安定生産、作業負荷低減、トレーサビリティの確保、国際的な認証制度への対応などが課題とされており、欧米を中心に水を循環浄化しながら屋内で魚を養殖する閉鎖循環型陸上養殖が欧米を中心に広がりをみせている。
同社は、こうした趨勢を踏まえ、グループ各社の水関連技術・製品・サービスを結集した総合的な活動として「キッツウォーターソリューションズ」に取り組んできた。
同社によると、新しい水浄化技術の開発成功(14年7月発表)に続き、同社茅野工場(長野県茅野市)に独自技術で建設したプラントで、無投薬でマダイを長期飼育することに成功し(今年10月21日時点で141日経過、以降も継続中)、同プラント向けに独自開発した自動制御・遠隔監視システムの運用試験に成功した。
それらの成果を踏まえ、エンジニアリング(水浄化技術、養殖プラントの最適化設計・施工管理など)、マネジメント(養殖プラントの自動制御・遠隔監視、メンテナンス、飼育ノウハウなど)、コンサルティング(事前調査、事業計画策定、人材育成など)の3つのソリューションを提供する「キッツスマート養殖」として16年度から養殖プラント市場に参入するもの。国内外の事業者が新規事業として水産ビジネスを検討する場合に、構想段階からプラント建設、施設運用管理までトータルでサポートする体制を構築していく。
同社によると、現在の市場規模は約135億円、2050年度には約5000億円への成長を見込む陸上養殖プラント市場に16年度中に参入し、早期に年間売上高20億円をめざす。
管材新聞 2015年11月4日 第1647号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
昨年12月の中小企業 製造業の景況悪化
全国中小企業団体中央会がこのほど、所属する協同組合・商工組合の組合員を対象にまとめた昨年12月の景況
-
-
モノタロウ カスタマイズ注文サービスを拡大
MonotaRO(モノタロウ)は、Webサイトでの注文時に仕様を選択できることで発注業務の効率化とコ
-
-
日立製作所 米空圧機メーカー買収 北米産業ビジネスに参入
日立製作所は4月25日、ルクセンブルグのアキュダイン社と、アキュダインの子会社および保有資産で運営さ
-
-
積水化学 西日本の生産子会社再編「西日本積水工業」発足
積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは4月1日、将来的な需要構造の変化に対応すべく、西日本エリ
-
-
2015年5月 ポンプ業界の動向
日本産業機械工業会(産機工)まとめの2014年度のポンプ受注額は、同上半期(前年同期比5%減)の低迷
-
-
17年度設備投資計画 大企業で6年連続増加
日本政策投資銀行がまとめた大企業(資本金10億円以上)の全国設備投資計画調査結果(6月調査)によると
-
-
15年度末浄化槽普及率9.14% 「浄化槽の日」に普及啓蒙キャンペーン展開
環境・農林水産・国土交通の3省はこのほど、2015年度末(16年3月末)の浄化槽の普及状況を公表した
-
-
モノタロウ 市場価格の2割安 PB作業服
工業用間接資材通信販売最大手のモノタロウは、プライベートブランド商品の作業服24種を販売開始した。秋
-
-
住宅リフォーム市場 毎年6兆円の需要創出
矢野経済研究所はこのほど、国内住宅リフォーム市場の調査結果を発表した。それによると、2017年の住宅
-
-
昨年のエアコン国内出荷家庭用増加に転じる 業務用は引き続き低迷
2016年(暦年)のルームエアコン(家庭用エアコン)の国内出荷台数は前年比3.1%増と14年
PC
- PREV
- 建設投資 15・16年度とも減少 新設住宅は堅調推移
- NEXT
- 第11回トイレ川柳結果発表






