2015年5月 ポンプ業界の動向
公開日:
:
業界ニュース
日本産業機械工業会(産機工)まとめの2014年度のポンプ受注額は、同上半期(前年同期比5%減)の低迷から下半期で盛り返し、通期0.3%の微増ながら5年連続増を維持しました。
一方、経済産業省集計の14年(暦年)ポンプ生産高でも金額ベースは前年比微減ながら数量ベースでは4%増と増加に転じました。現在、幅広い産業界で設備投資の動きが活発化しつつあり、同分野の需要増が見込めるほか、足踏み状況の主要市場・建設需要が盛り上がれば景況の急回復も期待できそうです。
ポンプの主要市場は建築・建設分野で、そのうち「新設住宅着工件数」の動向がポンプ景況の一種のバロメータとされてきました。新設住宅着工は昨年3月以降、今年2月まで12ヶ月連続で前年同月を下回り、3月でようやく増加に転じました。一方、住宅以外の一般建築も物件は増加する中、技能者不足や資材の高騰により、工事進捗が大きく遅れ、ポンプ需要に陰を落としています。
「産機工」では今年初め、15年度の受注額を5%増と見通しました。省エネ化投資を背景に産業用が増加するとともに、老朽インフラ投資による官公需増加も加わって需要が拡大するとみています。
全国では大小合わせて百数十社のポンプメーカーがあるとされています。その多くをカバーする経済産業省まとめの「ポンプ生産高」をみると、金額ベースで08年(暦年)に前年比1%減と低迷し始め、09年6%減、10年8%減、11年横ばい、12年7%減、13年1%減と低迷を続け、14年で0.2%の微減ながら2240億円をキープしました。数量ベースでは11年18%減、12年18%減、13年4%減と低迷を続けましたが、昨14年は4%増の231万7309台と、4年ぶりに盛り返しました。
ポンプ業界を取り巻く情勢は需要分野で格差があるものの、全体では次第に好転するとの見方が多い。ただ、長期需要不振により実勢価格はメーカー・流通とも機種によっては採算を割り込むまでに落ち込んでいます。実勢価格の建て直しがポンプ業界の最大の課題となっています。
管材新聞 2015年5月27日 第1631号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
日本水道協会のポスターの女の子のセリフが長すぎると話題に
日本水道協会がPRとして発行してるポスターが、すさまじい病みを感じさせると話題になっています。一見さ
-
-
矢野経済研 19年第1四半期の住宅リフォーム順調スタート
矢野経済研究所はこのほど、国内の住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査結果(2019年1~3月
-
-
モノタロウ 防藻・耐圧ホース PB商品で低価格を実現
工業用間接資材通信販売最大手のMonotaRO(モノタロウ)は、ポリ塩化ビニル製の防藻層が、ホース内
-
-
昨年度建築物リフォーム 住宅、非住宅とも低迷 管工事業は受注額で増加
国土交通省がこのほどまとめた2017年度の建築物リフォーム・リニューアル工事受注額は、前年度比20.
-
-
キッツスマート養殖 マダイの長期飼育とプラント運用試験に成功
キッツはこのほど、陸上で魚を養殖するプラントを独自に開発し、マダイの長期飼育および同プラントの自動制
-
-
日立金属 配管機器事業を再編 日立バルブを簡易吸収分割
日立金属は7月26日、完全子会社の日立バルブの営業および開発部門を簡易吸収分割により継承し、日立バル
-
-
LIXIL 中小工務店など対象に省エネ住宅セミナー
LIXILは、中小工務店などを対象に全国76会場で「省エネ住宅まるわかりセミナー」を開催中。
-
-
TOTO 「トイレ川柳」募集中
TOTOは、トイレにまつわるエピソードや想いを5・7・5の言葉に乗せて表す「トイレ川柳」を8
-
-
19年度建機需要 今年度は5%増の2兆3709億円 来年度は過去最高水準へ
日本建設機械工業会(建機工)はこのほど、建設機械需要について2018年度の見込みと19年度予測を発表
-
-
TOTOとYKK AP 新潟にコラボショールーム
TOTOは新潟ショールームを拡張移転し、YKK APとのコラボレーションショールームを12 月11日