中小製造の設備投資 減退傾向強まる
公開日:
:
業界ニュース
日本政策金融公庫(日本公庫)がこのほどまとめた中小製造業設備投資動向調査で2016年度設備投資(当初計画)が前年度(実績)比12.9%減の2兆2961億円にとどまることがわかった。当初計画は控えめに立てられるケースが多いとされるが、今回は例年に比べて減少幅が大きく、中小製造業間で先行き不透明感が広がっているとみられる。調査は今年4月上旬に行われ、イギリスのEU離脱問題による影響などを反映していないことから中小製造業の設備投資意欲はこの先一段と冷え込むことも考えられる。
同調査は経済産業省工業統計調査を基に3万社を対象に実施し、1万1063社の有効回答を得て分析した。それによると、16年度の設備投資当初計画(16当初)は15年度実績(15実績)に比べて12.9%減の2兆2961億円となった。
16当初は前年同時期に策定した15当初に比べても6.0%の減少となっており、比較的堅実に立てられるといわれる当初計画で例年になく低い数値を示した。中国の経済減速減などを背景に中小製造業の設備投資に慎重な姿勢が浮き彫りとなった。
設備投資の目的は、16当初では15実績に比べて「更新・維持・補修」「省力化・合理化」投資などの構成比が上昇し、「能力拡充」「省エネ」投資などの構成比が低下、生産力増強などから補修・維持・合理化など守勢にシフトする傾向がみられる。
設備投資の15実績をみると、前年度比10.2%の伸びを示した14実績とほぼ横ばいの2兆6366億円をキープした。14実績に比べ、輸送用機械、生産用機械、金属製品など9業種で増加し、窯業・土石、紙・パルプ、食料品など8業種で減少した。
投資内容では「建物・構築物」「機械・装置」が14実績から構成比が上昇した。投資目的では「更新・維持・補修」投資の構成比が高いものの、14実績から構成比は低下し、代わって、「能力拡充」「省力化.合理化」投資などの構成比が上昇した。
管材新聞 2016年7月6日 第1671号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
キッツ第2四半期決算、減収減益 国内外ともバルブが減収、伸銅品も減収
キッツ(社長堀田康之氏)が10月30日発表した2020年3月期第2四半期決算(4月1日~9月30日)
-
-
昭和バルブ製作所 バルブ販価引き上げ
昭和バルブ製作所は、6月12日出荷分からバルブ製品の販売価格を7%~10%引き上げる。 対象製品と
-
-
JFEスチール 国内向け鋼管全品種を5%値上げ
JFEスチール鋼管営業部はこのほど、国内向け鋼管全品種の値上げを発表した。 鍛接管、電縫管、継目無
-
-
4~6月期自社景況判断 製造・非製造とも悪化 中小企業の回復は遅れる見通し
内閣府、財務省がこのほど発表した4~6月期の法人企業景気予測調査(第57回調査)結果によると、現状の
-
-
16年輸出船契約8割減 24年ぶりの低水準
日本船舶輸出組合がまとめた2016年(1~12月)の輸出船契約実績は約371万6000総トン、前年比
-
-
楽天 エネ需要開発協組と業務提携へ
楽天とエネルギー需要開発協同組合はこのほど、LPガスと電気のセット販売などでの業務提携に向けた検討を
-
-
配管工は0.3%不足 8職種全体傾向は50ヶ月連続不足
国土交通省がまとめた8月の建設労働需給調査結果によると、配管工は前月(0.3%不足)から横ばいの0.
-
-
TOTO「エアインオーバーヘッドシャワー」が世界で評価
TOTOの「エアインオーバーヘッドシャワー」が、環境配慮に優れたデザインに与えられる世界的な
-
-
日建連「もっと女性が活躍できる現場に」 国交省へ要望書
日本建設業連合会(日建連)は4日、国土交通省に女性技術者・技能者がもっと活躍できるよう職場環境の整備
-
-
日本DIY協会 29~31日にDIYショウ
日本DIY協会 29~31日にDIYショウ 日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(会長稲葉敏幸
PC
- PREV
- 2015年度下請法違反指導件数 6年連続過去最多を更新
- NEXT
- 日商調べ 中小の設備投資意欲減退






