ポンプ動向記事 2016年8月
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業界ニュース
昨今、ポンプの生産高がやや伸び悩んでいるが、まだ緩やかな回復局面にあるとの見方が強い。経済産業省まとめの2015年(暦年)ポンプ生産高は前年比9%増の2436億円と、14年の前年比1%減から大きく盛り返した。しかし、直近の統計(1~5月)ではわずかだが、前年実績を下回っている。一方、日本産業機械工業会(産機工)まとめの15年度のポンプ受注額は前年度比7.8%増と、14年度(0.3%増)の低迷から脱し、16年度も3%程度の伸びを見通している。ポンプ業界は需要分野で景況に格差があるものの、全体としてまずまずの水準で推移するとみられている。
全国では大小合わせて百数十社のポンプメーカーがあるとされる。その多くをカバーする経済産業省集計の「ポンプ生産高」の生産金額は08年(暦年)に前年比1%減と低迷し始め、09年6%減、10年8%減、11年横ばい、12年7%減、13年1%減、14年微減と長期にわたり伸び悩んだ。
しかし、昨15年は前年比9%増の2436億円と、近年にないペースで盛り返した。生産台数の約3割を占める主力の「うず巻ポンプ」が9%増となったのをはじめ、「回転ポンプ」9%増、「耐食性ポンプ」5%増、「その他のポンプ」21%増と、「水中ポンプ」(11%減)を除き、多くの品種で堅調に推移した。
直近の統計、1~5月をみると、生産金額で前年同期比2.1%減、台数で4.1%と、やや減速している。
一方、大手・準大手のポンプメーカーが会員の「産機工」の15年度の「産業機械受注状況調査」によると、ポンプの受注額は前年度比7.8%増の3626億1000万円と堅調に推移し、6年連続増となった。
外需は微減となったものの、民需、官公需とも増加し、内需は大きく伸びた。需要部門別にみると、民需は9.9%増の961億4000万円で、うち製造業は19.1%増の277億7500万円、非製造業は6.6%増の683億8500万円だった。
官公需は19.5%増の1025億8200万円、代理店は2.0%増の729億6300万円。民需と官公需、代理店を合わせた内需合計は11.0%増の2716億8500万円。各部門とも増加し、代理店のみ2.0%増の小幅な動きにとどまった。一方、外需は0.7%減の909億2500万円であった。
産機工では、16年度も引き続き2.9%増の3732億円を見通している。内需は前年度比0.7%減の2699億円。社会インフラの修繕・更新などで官公需が底堅く推移するとともに、民需もトップランナーモータを採用した省エネ製品などへの更新需要が継続するとみて前年度を維持する。外需は13.6%増の1033億円で、原油価格の低迷などが懸念されるものの、インフラ整備や発電・化学プラントなどでの需要増が続くとみて増加を見込む。
管材新聞 2016年8月10日 第1675号より抜粋
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