国交省 下請取引実態調査
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国土交通省がこのほど公表した2016年度「下請取引実態調査」によると、建設工事を下請負人に発注したことのある建設業者(9778者)のうち、建設業法に基づく指導を行う必要のない建設業者(適正回答業者)は387業者(4.0%)で、15年度の前回調査(3.1%)からやや増加した。調査は全国約1万4000業者に行い、1万1991の有効回答を得てまとめた。調査時期は昨年7~9月。
調査結果では、元請負人から「不当なしわ寄せを受けたことがある」と回答した業者は11.1%と、一昨年7~9月の前回調査(11.7%)から0.6ポイント低下、4年連続減少した。
「不当なしわ寄せ」のうち最も多かったのは前回と同じ「下請契約の締結が工事着手後」(28%)であった。一方、発注者(施主)から「不当なしわ寄せを受けたことがある」と回答した業者は3.6%で、前回調査(5.0%)から1.4ポイント低下し、2年連続して減少した。「不当なしわ寄せ」のうち最も多かったのは「発注者の設計図面不備・不明確・設計積算ミス」(18.3%)であった。
国交省などが取り組んでいる建設業の社会保険加入促進問題に関しての調査では、雇用保険の加入者は96.9%(前回96.2%)、健康保険で96.5%(同95.0%)、年金保険で98.2%(同97.5%)となり、3保険すべてで前回調査より加入状況が改善した。
一方、3保険のいずれかに未加入である業者のうち、今後加入を予定していると回答した業者は53.1%で、前々回(47.0%)、前回(52.1%)から次第に増えている。
「賃金」項目では、賃金を引き上げた、あるいは引き上げる予定があると答えた業者は69.8%で、前々回(61.2%)、前回(68.6%)から少し増加し、賃金水準が漸増傾向にあることをうかがわせた。
引き上げの理由としては、前々回、前回と同様に「周囲の実勢価格が上がっており、引き上げなければ必要な労働者が確保できない」が最多となった。逆に、引き上げない理由としても前々回、前回と同じく「請負価格が低く、賃金引き上げの費用が捻出できない」が最も多く、一部業者の厳しい現実も垣間見える。
14年4月の消費税増税に伴い、消費税の転嫁拒否行為(買いたたき、減額、本体価格での交渉拒否、役務利用.利益提供の要請)が行われていないか調査した結果、「消費税率8%での契約がすべて行われた」(97.9%)、「消費税率8%での支払がすべて行われた」(98.1%)、「本体価格での交渉拒否または税込み価格での契約の強制はなかった」(94.8%)、「消費税引き上げの代替としての商品・サービスの利用強制はなかった」(98.7%)の回答が多かった。
管材新聞 2017年2月1日 第1692号より抜粋
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