大企業の行動意識 国内の有形固定資産投資に注力
公開日:
:
業界ニュース
日本政策投資銀行は、大企業の全国設備投資計画調査に付随して「広義の投資」についての企業行動の意識調査を行い、製造業では国内有形固定資産投資に注力するところが多いなどの結果を得た。
この調査は、国内有形固定資産投資に加えて情報化投資や海外有形固定資産投資、M&A、研究開発、人的投資を「広義の投資」と捉えて企業行動の意識を探ったもの。それによると、全産業の55%が国内有形固定資産投資を最優先にあげた。製造業で47%、非製造業で61%に上る。次いで、最優先とするのは製造業では研究開発の19%と人材育成・人的投資の16%、非製造業では人材育成・人的投資の21%。
研究開発については、研究開発費の対売上高比について製造業の3割が上昇傾向にあると回答した。研究開発で重要となる組織については、基礎研究は中央研究所などが重要な一方、開発研究は製造現場が重要との回答が多かった。
人的投資、人材育成については、9割の企業が重要度が増していると回答した。今後、育成が重要になる人材として、製造業では国際人材、非製造業では営業などの専門人材との回答が多かった。
人手不足への対応策では、製造業、非製造業ともに業務改善による生産性向上との回答が最も多かった。AIやIoTの活用による生産性向上は、足元では低い一方、5年先で高くなった。
海外設備投資については、製造業で向こう3年程度の国内外の生産能力の中期的な方針をみると、海外では約6割が増加と回答した一方、国内では増加は3割強にとどまり、維持が6割となった。こうしたなかで、国内の工場はマザー工場として位置づけられるとの回答が半数を上回った。
M&Aについては、国内と海外を合わせると約3割の企業がM&Aに積極的と回答したが、過去のM&Aの結果として海外では約半数、国内でも4割の企業が損失計上の経験があると回答した。目的としては事業規模やシェア拡大、事業分野の拡大などが多かった。
情報化投資については、IoTなどを活用または活用を検討しているとの回答が昨年度調査からやや増加して、製造業、非製造業ともに約4割となった。
事業継続マネジメント(BCM)への取り組みについては、8割の企業が事業継続計画(BCP)を策定していると回答するなど、東日本大震災以降の企業のBCMへの意識の高まりを示す結果となった。ただ、機関投資家などに対して情報開示している企業は2割にとどまった。
管材新聞 2017年8月30日 第1712号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
昨年のバルブ生産額 5年連続の増加
2018年(暦年)のバルブ生産高(経済産業省まとめ)は、生産金額、生産重量とも前年を上回り、金額は5
-
-
17年度 下請法違反指導件数 8年連続で過去最多更新
公正取引委員会がこのほど公表した2017年度の下請法違反による指導件数は6752件(別に勧告9件)で
-
-
オノマシン 「2016大阪にぎわい市」開催告知
管工機材・電設資材・機械器具商社のオノマシンは10月29・30日の2日間、大阪・鶴見緑地の花博記念公
-
-
17年上半期 造船受注回復 総トンで前年比27%増
わが国の造船受注が持ち直している。日本船舶輸出組合まとめによる2017年上半期(1~6月)の
-
-
建産協 「カタらボ」機能拡充など活動強化
日本建材・住宅設備産業協会(建産協)は7月14日、報道機関向けの情報交換会を開催し、主要事業である電
-
-
10月度産業機械 ポンプ受注19.4%減 官公需・外需が減少幅2ケタ 産業機械全体では2カ月ぶり減
日本産業機械工業会がまとめた10月の「産業機械受注状況調査」によると、ポンプの受注額は、前年同月比1
-
-
16年度上期建設工事受注 前年度比4%増 土木工事が好調
国土交通省の建設工事受注動態統計調査による2016年度上半期(4~9月)の建設工事受注額は、前年同期
-
-
TOTO 和洋リモデル工法が「発明奨励賞」
TOTOは、発明協会が主催する「平成27年度九州地方発明表彰」で、和風便器から洋風便器(腰掛便器)へ
-
-
ダイドレ 建材・住設展でステン製透水化粧ふたが特別賞
排水器具・マンホールなど水まわり器具を扱うダイドレは、先日、大阪で開催された「建築材料・住宅設備総合
-
-
水道管の耐震化 14年度末 全国平均36%
厚生労働省がこのほどまとめた2014年度末(15年3月末)時点の水道管耐震適合率は全国平均で36.0