UNICEF/LIXIL 水・衛生分野でグローバルパートナーシップを締結 世界のトイレ環境改善に向け協業
(ホールUNICEF事務局次長とLIXIL瀬戸CEO)
国際連合児童基金(UNICEF・ユニセフ、本部=米国ニューヨーク市)とLIXIL(本社・東京都)は7月26日、世界の児童の衛生環境の改善に向けて、新しいアプローチで取り組む革新的なグローバルパートナーシップを7月16日に米国ニューヨークで締結したと発表した。
同日会見したUNICEF事務局次長シャネル・ホール氏は「世界では、現在でも23億人(世界総人口の約3人に1人)が安全で衛生的なトイレのない生活を送り、そのうち8億9200万人が日常的に屋外で排泄を行わなければならない環境で暮らしている。屋外排泄は、極度の貧困と不公平性を示すものである。また、未然に防ぐことができる5歳未満の児童の死亡のうち、圧倒的に多いものが水と衛生に起因する病気で、毎年世界中で28万8000人の5歳未満の児童が、安全な飲料水が得られず、劣悪な衛生環境による下痢性疾患で亡くなっている。児童の健康を守り、病気の感染拡大を予防し、児童が尊厳ある生活を送れるようにするためには、安全で清潔なトイレはなくてはならない」と訴えた。さらに同氏は、衛生面だけでなく人間の尊厳の問題でもある(屋外排泄は性的暴行を誘発する。また、学校にトイレがない環境では、思春期到来を機に学校をやめてしまう女児が多い)として、世界的なトイレ環境改善の必要性を強調した。
LIXILの瀬戸CEOは、同社が高性能・高級なトイレ製品を供給する一方で簡易トイレを開発し世界に供給していることを誇りに思うと述べ、今回のパートナーシップ締結に喜びを示した。
両者は、世界の水と衛生の分野の環境改善活動はUNICEFのような機関単独でも私企業単独でも不可能であるとし、衛生環境整備の必要性の啓蒙を通じた需要喚起をUNICEFが担い、LIXILが自社のサプライチェーンを通じて安価なトイレの供給を行う活動とし、LIXILが営利企業として同ビジネスを通じて利益を得る一方、UNICEFは特定の私企業に肩入れすることなく他社の参入にも門戸を開くと説明しており、「UNICEFと業界全体がWin=Winの関係になればよい」としている。
両者は「Make a Splash! みんなにトイレを」と名付けたこのパートナーシップを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)ターゲット6・2「2030年までに、すべての人びとの、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性および女児、ならびに脆弱な立場にある人びとのニーズに特に注意を払う」の実現をめざすとしており、当面は「2021年までに全世界の2億5000万人のトイレ環境を改善する」としている。
管材新聞 2018年8月8日 第1747号より抜粋
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