来年度建設投資2.7%減へ 民間住宅微増、非住宅横ばい
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2019年度の建設投資額は18年度(見通し)比2.7%減少するという予測が出された。建設経済研究所が「建設経済モデル」を用いて見通したもの。18年度の前年度比1.2%増から減少に転ずる。民間建設投資は住宅分野で新設住宅の減少により1.0%減少し、非住宅分野で前年度水準をほぼ維持する。政府建設投資が前年度から減少幅を広げ、建設投資全体として縮小局面に入る。
同研究所の調査は四半期ごとに行っているもので、今回調査は今年4~6月期のQE(四半期別国民所得統計2次速報)を踏まえて予測した。
それによると、19年度の建設投資額は、民間非住宅投資が横ばいを維持するが、同住宅投資が微減するほか、政府建設投資も一段と減少し、全体で前年度比2.7%減の55兆1500億円と予測している。
19年度の「政府投資」は6.1%減の21兆4300億円と予測。18年度(前年度比0.9%減見通し)から減少幅が広がる。19年度予算の各省概算要求の内容を踏まえ、前年度当初予算比横ばいとして推計し、また、17年度の補正予算の政府投資について一部出来高の実現を想定したうえで、前年度比減少を予測したとしている。
19年度の「民間住宅投資」は、1.0%減の16兆700億円を予測。持家、貸家、分譲住宅すべてで着工減が見込まれ、住宅着工戸数は前年度比3.6%減の92万9300戸を見通している。
「持家」は、18年度の駆け込み需要後の反動減が発生すると考えられるため、6.1%減の27万5000戸と予測する。
「貸家」は、状況に大きな変化は見込まれないが、昨今の低調が改善される要因もなく、2.3%減の39万5000戸と予測する。
「分譲住宅」については、マンションは状況に大きな変化は見込まれないとし、戸建ては引き続き開発は進んでいくと考えられるものの、駆け込み需要後の反動減が発生すると考えられるため、2.1%減の25万2600戸と予測する。
19年度の「民間非住宅投資」は全体の建築着工床面積が前年度から横ばいと考えられ、「建築」投資は0.4%増、「土木」投資は横ばい、全体で0.2%増の17兆6100万円とみている。
「事務所」は、大都市圏を中心とした大型再開発プロジェクトの竣工が続くことから事務所の新規供給が予定され、今後も新たなオフィスビルの着工が見込まれるとし、着工床面積は引き続き堅調に推移するとみている。
「店舗」は、着工床面積は14年度以降、毎年減少を続けており、直近の大規模小売店舗立地法による届出状況も新設件数、面積ともに前年同期比減で推移しており、着工床面積は減少するとみている。
「工場」は、17年度が着工床面積、受注額とも前年同期を上回っており、堅調に推移している。今後も製造業、非製造業ともに生産能力増強などに向けた投資が牽引し、広範な業種で投資が増加すると予想され、着工床面積は増加傾向で推移する見通しであるとしている。
「倉庫」は、東京・関西圏を中心とした高速道路などの交通インフラの整備進展に伴い、eコマースなどの利用拡大を背景とした高機能・マルチテナント型物流施設の着工床面積は引き続き堅調に推移するとみている。
なお、18年度の建設投資は前年度比1.2%増の56兆6700億円と見通している。「政府投資」は0.9%減の22兆8300億円となるものの、「民間住宅投資」は1.5%増の16兆2300億円、「民間非住宅投資」は3.6%増の17兆6100億円と堅調に推移し、全体を支える。
「民間住宅投資」では新設住宅着工件数は前年度比1.8%増の96万3500戸を見通している。「持家」は4.0%増の29万3300戸、「貸家」は1.3%減の40万4900戸、「分譲」は3.9%増の25万8100戸とみている。
「民間非住宅投資」のうち「建築投資」は1.5%増と見通し、「土木投資」は土木インフラ系企業の設備投資が堅調に推移するとみて8.2%増を見通している。
管材新聞 2018年12月5日 第1757号より抜粋
PC
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