建機需要予測 17年度2兆1165億円、9%増 旧型機更新需要で国内増 18年度2兆781万円、2%減

公開日: : 業界ニュース

建設機械の2017~2018年度需要見通し

日本建設機械工業会(建機工)はこのほど、建設機械需要の2017年度および18年度予測をまとめ、発表した。それによると、17年度は前年度比9%増の2兆1165億円を見込んでいる。建設投資の高水準が続くとみられることに加え、旧規制機の需要がレンタル業界を中心に堅調に推移するとして堅調な伸びを見込んだ。ただ、18年度は2%減の2兆781億円を予測している。

17年度上期見込み値は今年2月末時点の見通しを上回ったが下期は下回り、通期予測はほぼ変わらない結果となった。

建機工が発表した会員社対象のアンケート結果によると、国内の市場環境予測(年度)は
①公共投資=17年度下期は「増加」6%、「横ばい」66%、「減少」28%、18年度は「増加」の割合が高まるが、横ばいが大勢を占めるも弱含みの見方にシフト
②民間設備投資=「横ばい」が大勢を占めるも18年度に「減少」の見方が強まる
③住宅投資=「横ばい」が大勢を占めるが、18年度下期は「減少」回答の割合が上昇
―となっている。

海外需要(暦年)については
①北米=鉱山向けの低迷が続くが、住宅およびエネルギーの堅調を見込み、17年は増加が大勢を占め、18年も半数近くが「増加」と回答
②欧州=17年・18年を通じて増加が大勢を占める
③中国除くアジア=17年は「増加」が大勢を占め、18年も「増加」へ期待感が続く
④中国=17年は65%が増加と回答し、18年は「横ばい」の割合が高まるが、好調維持を期待
―となった。

建機工調べの建設機械の17年度の国内出荷は、上期見込み実績が4562億円(前年同期比17%増)、下期予測が4680億円(2%減)で、通期は9242億円(7%増)で2年ぶりの増加を予測。建設投資の高水準が続くと見込まれることに加え、主力機種が含まれるエンジン定格出力D1~D4クラスの14年次排ガス規制生産猶予期間終了に伴う旧規制機の需要がレンタル業界を中心に見込まれ8機種が増加する。下期はその反動減により減少するが、年度全体では2年ぶりに増加する。

18年度の国内出荷予測は、上期が4212億円(8%減)、下期が4437億円(5%減)で、通期では8649億円(6%減)。一部機種で反動減の継続が予想され、前年度比減を予測している。

一方、輸出については、17年度は上期見込み5894億円(16%増)、下期予測6029億円(6%増)で、通期は1兆1923億円(11%増、3年ぶり増)を予測している。北米の住宅建設堅調に加え、インドネシアやCISなどの鉱山向け需要の増加により8機種が増加するとみて3年ぶりの増加を予測。

18年度は、上期が6005億円(2%増)、下期が6127億円(2%増)、通期で1兆2132億円(2%増、2年連続増)を予測している。北米向けが堅調に推移すると見込み、2年連続増加を予測。

また、建機工は需要予測時に、油圧ショベルとミニショベルの生産と出荷について海外と国内の比率をまとめ公表している(調査対象各10社。台数ベース)。それによると、油圧ショベルの状況は

▽17年予測=海外生産45対国内生産55/海外出荷77対国内出荷23
▽18年予測=48対52/82対18。ミニショベルは▽17年予測=20対80/77対23▽18年予測=21対79/77対23となっている。

建機工では、「2年度連続の2兆円超の水準となると予測し、補給部品を含めた予測値では17年度が直近のピークだった2007年度(2兆6757億円)に次ぐ水準、18年度も17年度比で減ながら高水準を期待する」(建機工会長)としている。また、同会長は今後について、Iコンストラクションへの対応や最新の排出ガス規制対応機の噴き優促進など大きな環境変化を見据えて産業力強化を図ることが重要課題であり、この先数年が建機業界にとって正念場であるとの見方を示した。

管材新聞 2017年9月13日 第1714号より抜粋

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