川重 大型LNG燃料ばら積み船開発
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川崎重工業はこのほど、液化天然ガス(LNG)を燃料とする20万トン級ばら積み運搬船の開発を完了し、LNG燃料を使用する場合に適合が求められるIGFコードおよび船級規則に基づいた設計基本承認を日本海事協会から取得したと発表した。
国際海事機関(IMO)による各種排ガス規制強化が進む中、海運業界では一般的に利用されてきた重油に代わるLNG燃料などのクリーンな燃料の利用に大きな期待と注目が集まっている。
同社は長年のLNG運搬船の建造で培った技術力をベースに、16年に引き渡した世界初のLNG燃料推進の自動車運搬船、LNGバンカリング船の開発で得た豊富なLNG関連の応用技術、さらに今回の承認取得で得られた最新の国際規則に適合したLNG燃料推進船の技術や知見を活かすことで大型LNG燃料ばら積み運搬船本船の設計や建造を円滑に進めることができるとともに、他の様々な種類の船舶への展開が可能になるとしている。
今回開発を完了した船舶は全長約300メートル、幅50メートル。LNG燃料タンクを船尾の居住区域の後方に配置することで貨物スペースを減少させることなく、油燃料の従来型船型と同様の大きさの貨物スペースを確保している。二元燃料に対応した低速ディーセル機関を採用し、LNG使用時は排気ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)の排出量を大幅に削減することが可能で、EEDI規制のフェーズ3を達成できる。
IGFコードは、LNGなどの低引火点燃料を使用する船舶の安全に関する国際規制。2017年1月に発効され、日本海事協会鋼船規則にも織り込まれている。また、EEDIは、1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2のグラム数として定義されるエネルギー効率設計指標(EEDI)を用いて新造船の省エネ性能の規制値への適合を強制する国際規制(13年発効)。EEDI規制値は建造契約日と引渡日に応じてフェーズ0~3の段階的に強化される。大型のばら積み運搬船の場合、フェーズ3ではフェーズ0からの30%のCO2削減が要求される。
管材新聞 2019年2月6日 第1763号より抜粋
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