17年度設備投資計画 大企業で6年連続増加
公開日:
:
業界ニュース
日本政策投資銀行がまとめた大企業(資本金10億円以上)の全国設備投資計画調査結果(6月調査)によると、2017年度の国内設備投資計画は製造業、非製造業とも前年度実績を上回り、全産業で前年度実績比11.2%増の17兆8390億円、6年連続の増加となった。製造業では化学や非鉄金属などで部材、素材の投資が増加し、非製造業では運輸、不動産、サービスなどでインバウンド対応の投資が続くことに加え、卸売.小売などでは人手不足に対応した投資も増加するとしている。
調査結果(前年度比較対象可能2033社)では、製造業の17年度国内設備投資計画は6兆8325億円、前年度実績比14.2%増と高い伸びを示した。ウェイトの大きい輸送用機械でモデルチェンジのための投資が一巡し、製造業の平均を下回る伸びにとどまるものの、化学や非鉄金属で自動車や電子・電池向けの部材、素材の生産や研究開発のための投資が増加する。一般機械では、航空機、自動車や産業用ロボット向けの能力増強や生産効率化への取り組みの投資が増加する。
食品(増減率=16年度22.8%増→17年度23.4%増)は、乳製品・畜産加工品や加工食品の能力増強投資などにより、増加する。化学(7.5%増→19.8%増)は、衛生品関連などの大型投資が一服するものの、自動車や電子・電池向けの部材、素材が増加するほか、研究開発投資が引き続き増加することから4年連続で増加する。石油(6.3%減→20.6%増)は、製油所における維持補修の増加や流通設備の投資により、増加する。
鉄鋼(22.7%増→10.6%増)は、普通鋼でコークス炉の改修が継続することに加え、特殊鋼でも自動車向けなどの設備新設があり、2年連続の2ケタ増となる。非鉄金属(3.8%増→57.1%増)は、自動車、電子機器向けの能力増強が広範にみられ、大幅増となる。
一般機械(0.6%減→22.1%増)は、航空機のほか、自動車や産業用ロボット向けの能力増強に加え、生産効率化への取り組みも幅広くみられ、大幅増となる。電気機械(9.1%減→3.3%減)は、自動車の電装化や産業用ロボット向け生産設備増強が広範にみられるものの、大規模な工場建設が終了し、引き続き低迷する。
精密機械(0.7%増→21.5%増)は、研究開発投資が広範にみられるほか、医療用機器の能力増強投資などにより、増加する。自動車(4.6%増→8.9%増)は、主力工場への最新設備導入など国内生産体制の再構築や新世代技術を活用したモデルチェンジ対応が続き、6年連続で増加する。
非製造業の17年度国内設備投資計画は、前年度実績比9.5%増の11兆65億円と堅調に推移する見通しだ(参考=15.16年度比較対象可能1907社で16年度は0.2%増の横ばい)。
運輸の空港施設整備や不動産の都心部大型再開発案件、サービスのホテルやテーマパークなど、東京オリンピック・パラリンピックも見据えたインバウンド対応の投資が続く。卸売・小売ではコンビニエンスストアなどで省力化のための設備導入の投資が増加する。
卸売・小売(1.1%増→13.1増)は、総合スーパーが出店抑制により減少するものの、コンビニの省力化投資などの既存店強化により、引き続き増加する。不動産(0.5%減→23.3%増)は、国際ビジネス拠点・防災機能整備など都心部大型開発案件の投資を主体に増加に転じる。
運輸(3.0減→13.8%増)は、鉄道で高速化工事や不動産開発が増加することに加え、空港施設の拡充や航空機取得の増加もあり、2ケタ増となる。通信・情報(5.1%減→2.1%増)は、情報サービスおよび放送の増加に加え、移動通信ネットワーク増強投資があり、増加する。サービス(7.7%増→28.4%増)は、訪日客の取り込みを目的としたホテルやテーマパークの旺盛な投資により、3年連続で増加する。
海外設備投資は、全産業で14.3%増と3年ぶりに増加する。製造業は自動車、電気機械、一般機械などが増加に転じ15.1%増、非製造業は不動産などが増加し、11.6%増となる。
管材新聞 2017年8月30日 第1712号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
中小製造業の投資意欲増大傾向続く
日本政策金融公庫(日本公庫)がこのほどまとめた中小製造業設備投資動向調査結果によると、2019年度に
-
-
住宅リフォーム 昨年の市場やや縮小 19年は再び拡大見通し
矢野経済研究所(社長水越孝氏)の国内住宅リフォーム市場の調査結果によると、2018年の住宅リフォーム
-
-
KVK 「オーバーヘッドシャワー」新発売
KVKはこのほど、爽快オーバーヘッドシャワーとスタイリッシュサーモを融合させた快適シャワー「オーバー
-
-
水道管の耐震適合率 17年度末 全国平均39.3%
厚生労働省がこのほどまとめた2017年度末(18年3月末)時点の水道管耐震適合率は、全国平均で39.
-
-
16年上期管材生産 軒並み低調に推移
主要管材製品の2016年上半期(1~6月)の生産(経済産業省機械統計ほか)は大方の品種で前年実績を下
-
-
「エコ対応の管材」 光明製作所 レンタルシステム『リユーズシステム』
環境負荷の低減・リサイクルの推進・おいしい水・経費削減を解決する画期的な仮設配管資材レンタルシステム
-
-
TOTO タイにウォシュレット量産工場を新設
TOTOは、温水洗浄便座「ウォシュレット」の量産工場として、タイに新工場(TOTOタイランド第3工場
-
-
16年上半期 造船受注が激減 重量前年の2割にダウン
わが国の造船受注が激減している。日本船舶輸出組合がまとめによる2016年上半期(1~6月)の造船受注
-
-
15年度設備工事受注4.7%増加 民間「管工事」6年連続増
国土交通省がまとめた2015年度の設備工事3業種(電気・管・計装工事の各主要20社)の受注額は、前年
-
-
17年度第2四半期 エアコン出荷堅調
日本冷凍空調工業会がこのほど発表した2017年度第2四半期(7~9月)の冷凍空調機器国内出荷実績(台






