今年度中小企業の設投計画 前年度と同水準維持
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中小企業で2019年度に国内設備投資を計画(19当初計画)する企業の割合は、18年度の当初計画(18当初計画)とほぼ同水準であることが商工組合中央金庫の中小企業設備投資動向調査でわかった。「18年当初」の設備投資「有」企業の割合が8年連続で上回っていたことからいぜん高水準を維持しているとなっている。18年度の設備投資実績見込み(18実績見込み)は、「17実績見込み」とほぼ同水準で、非製造業でやや上回った。
調査は全国の中小企業4177社から有効回答を得て分析した。それによると、19年度に設備投資を計画する企業の割合(19当初)は34.2%と、「18当初」(34.4%)より若干下回ったが、ほぼ同水準となった。「18年当初」まで8年連続して増加してきたことから今回も高水準を維持した。
製造業は39.4%で、「18当初」(40.3%)を小幅に下回った。当初計画の段階で40%以上や40%近くとなるのは4年連続で、リーマンショック直前の08年度(45.3%)に及ばないものの、投資意欲の高まりがうかがえる。非製造業は31.4%で、「18当初」(31.3%)とほぼ同水準。
「19当初」が「18当初」より減少したのは繊維、木材・木製品、鉄・非鉄、金属製品、汎用・生産用・業務用機械、電気機器、建設業、小売業、情報通信業、飲食店・宿泊業の10業種で、「19当初」が「18当初」より増加したのは食料品、紙・パルプ、化学、窯業・土石、印刷、輸送用機器、卸売業、不動産・物品賃貸、運輸業、サービス業の10業種で、増減業種は分け合った。
一方、「19当初」で設備投資「有」企業の割合が全産業平均(34.2%)を上回った業種は食料品、紙・パルプ、化学、窯業・土石、鉄・非鉄、金属製品、汎用・生産用・業務用機械、輸送用機器、運輸業。中でも紙・パルプ(65%)、輸送用機器(63%)、化学(57%)、運輸業(50%)、の設備投資意欲が高い。
「19当初」の設備投資目的の上位は前年度に引き続き「設備の代替」(51%)が最も多く、以下「増産・販売力増強(国内向け)」(31%)、「維持・補修」(26%)の順。「18実績見込み」と比べ、「設備の代替」(2.9ポイント増)、「情報化関連」(1.9ポイント増)、「増産・販売力増強(国内向け)」(1.8ポイント増)が増加し、「維持・補修」(1.4ポイント減)と「合理化・省力化」(1.1ポイント減)が減少した。
「17実績」から「19当初」まで2年続けて割合が増加しているのは「設備の代替」「増産・販売力増強(国内向け)」「増産・販売力増強(輸出向け)」「情報化関連」「倉庫等物流関連」など。
設備投資を金額ベースでみると、「19当初」の設備投資額は「18実績見込み」比26.5%減となっている。ただ、当初計画は実績見込みより低くなるのが一般的で、今回も比較的小さいマイナス幅となっている。「19当初」の設備投資額は製造業で「18実績見込み」比26.7%減、非製造業で26.4%減となっている。
一方、国内設備投資の「18実績見込み」は、設備投資「有」の企業割合が53.3%と、「17実績」(53.1%)とほぼ同水準となった。製造業で63.7%、非製造業で47.8%だった。50%を超えた業種は、食料品、紙・パルプ、化学、窯業・土石、鉄・非鉄、印刷、金属製品、汎用・生産用・業務用機械、電気機器、輸送用機器、小売業、運輸業、飲食店・宿泊業の13業種。
「18実績見込み」の設備投資目的の上位は「設備の代替」(48%)、「増産・販売力増強(国内向け)」(29%)、「維持・補修」(28%)、「合理化・省力化」(21%)の順で、「17実績」に比べ、「製品の品質向上」(2.0ポイント増)、「増産・販売力増強(輸出向け)」(1.9ポイント増)が増加し、「新製品の生産」(0.6ポイント減)や「新規事業への進出」(0.4ポイント減)などが減少した。
設備投資「無」と答えた企業では、その理由(複数回答)として「18実績見込み」、「19当初」とも「現状で設備は適正水準」(18年63%、19年65%)と答えたところが最も多かった。「景気の先行き不透明」(18年20%、19年21%)も引き続き多い。近年課題となっている人材面について「必要な人材が確保できない」を「19当初」で設備投資「無」の理由に挙げる企業も10%ある。
管材新聞 2019年5月8日 第1772号より抜粋
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