16年の製造業工場立地件数 3年ぶり減少
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経済産業省がまとめた2016年(暦年)の「製造業等」の工場件数は前年比4.9%減と3年ぶりに減少した。立地面積は0.1%増と前年水準を維持した。立地件数は輸送用機械、食料品、その他の製造業など10業種で増加したものの、化学工業、金属製品、生産用機械など12業種で減少した。電気業を含めた全体の立地件数は3.9%の減少となった。
▼工場立地件数と工場立地面積の推移
調査は、工場などを建設する目的で1000平方メートル以上の用地を取得した製造業、電気業(太陽光発電設備を除く)、ガス業、熱供給業の事業者を対象に行ったもの。それによると、全国の昨年の「製造業等」(製造業・ガス業・熱供給業の合計)立地件数は、前年比4.9%減の994件となり、14年(前年比21.3%増)、15年(同3.6%増)の2年続きの増勢から減少に転じた。
ただ、立地面積は14年(同16%増)、15年(同5.0%減)に続き、16年も0.1%増の1123ヘクタールと前年比微増となり、ここ5年で14年に次ぐ高い水準を維持した。
近年の「工場立地」の全体の推移をみると、13年に立地件数で前年比53%増、立地面積140%増と飛躍的に増加したが、これは太陽光発電を目的とした電気業の立地案件の増加が大きな要因。13年の立地件数に占める電気業(1044件)の割合は56%、立地面積に占める電気業(6458ヘクタール)の割合は86%にも達し、電気業を除けば件数で12%減、立地面積で2%減にとどまっていた。
14年には電気業の増勢基調も弱まり、代わって製造業の化学工業、金属製品、生産用機械、電気機械、輸送用機械などで立地件数・面積が増え、1008件、1181ヘクタールと、いずれも過去5年で最多となった。15年統計から電気業では太陽光発電設備が除外された。
16年の製造業の業種別の立地件数をみると、多い順に食料品176件(構成比17.7%)、金属製品123件(12.4%)、輸送用機械115件(11.6%)、生産用機械98件(9.9%)の順。
前年との比較では、輸送用機械(13件増)、食料品(10件増)、その他の製造業(10件増)、飲料・たばこ・飼料(8件増)、パルプ・紙(6件増)など10業種で増加したが、化学工業(36件減)、金属製品(27件減)、生産用機械(17件減)、繊維工業(8件減)など12業種で減少した。
「製造業等」の地域ブロック別の立地件数は上位から東海212件(構成比21.3%)、関東内陸177件(17.8%)、南東北123件(12.4%)の順で、これら3地域で全体の51.5%を占めた。東海(15年172件→16年212件)、南東北(100件→123件)、四国(43件→52件)などで増加し、関東内陸(214件→177件)、近畿臨海(98件→76件)、山陽(58件→42件)などで減少した。
「製造業等」の工場立地面積は、上位から関東内陸(265ヘクタール)、東海(222ヘクタール)、南東北(119ヘクタール)の順となり、これら3地域で全体の54.0%を占めた。
前年との比較では、東海(152ヘクタール→222ヘクタール)、四国(35ヘクタール→83ヘクタール)、近畿内陸(66ヘクタール→104ヘクタール)などで増加し、山陽(89ヘクタール→43ヘクタール)、南九州(65ヘクタール→21ヘクタール)、北九州(75ヘクタール→40ヘクタール)などで減少した。
工業団地への工場立地件数(電気業を除く)は375件で、前年から53件の減少となった。立地件数に占める工業団地への立地割合は37.8%となっている。
工場立地における立地地点選定に際して事業者(電気業を除く)が「最も重視」した項目は「本社・他の自社工場への近接性」「市場への近接性」「地価」との理由が多かった。
東日本大震災による被災7県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉)での電気業を除く工場立地件数は167件件(前年比32件減)、立地面積は258ヘクタール(28ヘクタール増)であった。
なお、電気業を含む昨年の総立地件数は1028件で前年比3.9%減、総立地面積は1298ヘクタールで7.4%増であった。
管材新聞 2017年5月17日 第1702号より抜粋
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