中小製造業の投資意欲 昨春より増大傾向

公開日: : 業界ニュース

日本政策金融公庫(日本公庫)がこのほどまとめた中小製造業設備投資動向調査結果によると、2018年度に計画する設備投資金額は(18年度当初計画=18当初)は前年度実績(17実績)比3.6%減となった。ただ、当初計画は控えめに立てられるケースが多いとされるほか、前年同時期に策定された17年度当初計画(17当初)に対し10.8%の増加となっており、投資意欲は昨年度の年初に比べ増大傾向を示した。

調査は経済産業省工業統計調査を基に3万社を対象に4月上旬に実施、1万517社の有効回答を得て分析した。それによると、18年度の設備投資当初計画(18当初)は17年度実績(17実績)に比べて3.6%減の2兆5277億円となった。

一方、「18当初」は前年同時期に策定した「17当初」に比べて10.8%の増加となっているほか、「17当初」が「16実績」比7.0%減と今回より減少幅が大きかったことから昨年より今年の方が中小製造業の設備投資意欲が増大していることがうかがわれる。

業種別にみると、「18当初」が「17実績」を上回ったのは非鉄金属(40%増)、鉄鋼(17%増)、印刷・同関連(9%増)、金属製品(5%増)、木材・木製品(3%増)、化学(2%増)の6業種。

汎用機械(21%減)、その他(22%減)、食料品(14%減)、繊維・繊維製品(13%減)、窯業・土石(11%減)、パルプ・紙(7%減)、業務用機械(7%減)、輸送用機械(5%減)、生産用機械(3%減)、プラスチック(2%減)、電気機械(1%減)の11業種は「17実績」を下回った。

「18当初」の設備投資内容を「17当初」と比較すると、主力の「機械・装置」が13%増(構成比62%)となった。「建築・構築物」も11%増(同28%)と増加し、「土地」は13%減(同3%)と低下した。

「18当初」の主要な設備投資の目的を「17実績」と比較すると「新製品の生産・新規事業への進出、研究開発」(10%増)や「省力化・合理化」(5%増)などの投資割合が増加し、「更新、維持・補修」(8%減)や「能力拡充」(5%減)など割合が減少するなど、既存製品の生産力増強から新規分野への進出やコストダウン注力へ姿勢の変化がみられる。

一方、設備投資の「17実績」をみると、「16実績」比7.0%増の2兆6218億円と堅調に推移した。前年の「16実績」の「15実績」比は4.9%減にとどまっていたことを考えると、このところ設備投資は確実に増大している。「17実績」が「16実績」より増加したのは「パルプ・紙」(55%増)、「繊維・繊維製品」(39%増)、「汎用機械」(38%増)、「プラスチック」(18%増)、「生産用機械」(17%増)、「電気機器」(15%増)、「その他」(10%増)、「化学」(7%増)「鉄鋼」(6%増)など17業種中、12業種となった。「業務用機械」(31%減)は減少した。

「17実績」の投資内容では主力の「機械・装置」が5%増(構成比56%)となったほか、「建物.構築物」7%増(同28%)、「船舶・車両・運搬具等」15%増(同9%)、「土地」20%増(同7%)といずれも増加した。投資目的では「更新・維持・補修」投資の構成比(35%)が9年連続で最も高い割合となった。次いで、「能力増強」(構成比31%)、「新製品の生産、新規事業への進出・研究開発」(同14%)となっている。

海外拠点への設備投資動向をみると、17年度で実施した企業割合は4.1%で、16年度(4.1%)から横ばいとなっている。また、18年度の計画では4.5%となった。企業規模別に海外拠点への設備投資実施割合をみると、17年度では従業員200~299人の中小企業が16.2%と15年(12.5%)以降、上昇が続いている。

また、全体で17年度に海外拠点に設備投資を行った割合はタイ、ベトナムで増加している。17年度の上位3か国への投資目的をみると、中国、タイでは「現地・第三国の需要開拓」の割合が一番高い(中国42%、タイ46%)のに対し、ベトナムでは「日本国内での競争力強化」(38%)が最も高くなっている。

管材新聞 2018年7月4日 第1743号より抜粋

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