スパナとレンチの違いとは?
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商品紹介
設備工事や自動車整備、DIYなど幅広い用途で使用する工具にスパナとレンチがあります。
最近では100円ショップでも売られているなど入手が簡単な工具で、サイズも非常に多くのものがラインナップされています。
どちらも「締め付け工具」という点では同じですが、何か違いがあるのでしょうか?
今回はそちらについて解説していきます。
名前の由来
辞書で調べるとwrench(レンチ)もspanner(スパナ)も、いずれもボルトやナットを回して締め付けを行う工具ということになります。
wrench(レンチ)はアメリカ英語、spanner(スパナ)はイギリス英語です。
日本では一般的に、先端が開放されたものをスパナ、それ以外をレンチと呼んでいますが、はっきりとした区分けでもないようです。
下の写真のようなものをスパナ(両口スパナ)と呼ぶ以外は、ほとんどレンチと呼ぶ傾向があります。(めがねレンチなど)
例えば、両口スパナということはあっても、両口レンチとはいいません。
コンビネーションレンチは片目片口レンチとも、片目片口スパナともいいます。
めがねレンチはそのままの名前で呼ぶことが多く、ボックスレンチやボックススパナとはあまりいわないですね。
モンキーレンチのことをモンキースパナと呼ぶことはあります。
どうやら日本では口が開いているものをスパナ、閉じているものをレンチと呼ぶことが多いようです。
ちなみにモンキーレンチはアジャスタブルレンチが正式名称です。
スパナ
▼両口スパナ 10-4×5(スタビレー)
スパナは、持ち手の両端に口が付いている両口スパナが一般的です。
先端の口が開いているため、ボルトナットの横方向からレンチを挿入出来ます。
表示寸法(例えば10)はボルト頭の二面幅の寸法で、径の表示ではありません。
ただし二面で挟んで力をかけるため、ボルト・ナットの角を傷めやすいという弱点があります。
そのため、仮締めでの使用を推奨します。
めがねレンチ
▼ASH 片口めがねレンチ22mm RS0022(旭金属工業)
ハンドルの端にめがねのような輪型の嵌合部分があります。
スパナと違い、ボルトの上方向からしかレンチを挿入できません。
ハンドルに対し角度(オフセット)がつけられており、使いやすくされています。
ボルトの各角6か所全部に力が加わるので、ボルト頭の痛みが少なく、強い力で締めることができます。
そのため本締めに向いています。
モンキーレンチ(アジャスタブルレンチ)
▼TRUSCO ワイドモンキーレンチ 36mm TRMW-36(トラスコ中山)
正式名称は「アジャスタブルレンチ」です。
ネジの部分を回すと開口部が開いたり狭くなったりします。ボルト頭に合わせて口幅が調整できる便利なレンチです。
ガタつきが発生するとボルト頭を傷めるので、しっかりと合わせて使用する必要があります。
コンビネーションレンチ
▼TRUSCO スタンダードコンビネーションスパナ 19.0mm TCS-0019(トラスコ中山)
コンビネーションレンチはスパナとめがねレンチ、両方の利点を備えたレンチで、両側は同じサイズとなっています。
トルクレンチ
▼TONE スパナ形単能トルクレンチ TSP75-29(TONE)
ナットを締めるときに一定の力で締め付けたい時、あるいは締め付けの力に指定がある時に使うレンチです。力を表すメモリがついているので、締め付け具合がわかるようになっています。自動車整備でよく使われます。
力任せにナットを締めると破損する場合があります。自動車やバイクの整備では決められたトルクでの締め付けが重要で、トルク設定された締め付けが必要となってきます。
六角レンチ
▼TRUSCO 六角棒レンチ ショートタイプ 1.5mm TRRS-15(トラスコ中山)
六角レンチは自転車修理や家具の組み立てなどによく使われます。
ちなみにこういう六角棒の工具の名称はJIS(日本工業規格)で「六角棒スパナ」として規格化されています。
ソケットレンチ
▼TONE ソケットレンチセット 差込角6.35mm S20830P(TONE)
ソケットとハンドルが別々で、使用状況に合わせて適当なソケットとハンドルを組み合わせて使うことが可能です。
※注 ソケット差し込み部は2種類あるので注意が必要です。
まとめ
ナットの締め付けは強すぎても弱すぎてもいけません。またナットサイズに合わない工具を使用すると、ナットの破損にもつながります。
こだわりのある方はクロム加工(クロムバナジウム鋼)されたものを好むなど、材質を選ぶ傾向があります。
いずれにしても使用用途に応じたトルク設定と最適な工具の選定が重要です。
PC
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