塩ビライニング鋼管 公共建築工事標準仕様書掲載40年 依然高シェア、リサイクルでも成果
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配管の調査研究を行っている配管システム研究所はこのほど、公共建築工事において塩化ビニルライニング鋼管(塩ビ鋼管)が給水管に採用(公共建築工事標準仕様書に記載)されて40年が経過したことを踏まえ、その間の経緯をまとめ発表した。
塩ビ鋼管は、昭和30年代半ばに開発・実用化され、当初はプラント配管向けに製造されていた。その後、昭和40年代に入り、水道用亜鉛めっき鋼管からの亜鉛溶出による水道水の白濁問題の解決策として注目され、規格化が進められた(昭和45年に日本水道協会内に塩ビライニング鋼管規格専門委員会設置。昭和47年に同協会規格を制定)。
昭和48年版「公共建築工事標準仕様書(機械設備編)」では、「給水管および冷却水管は水道用亜鉛めっき鋼管とする」と定められていたが、亜鉛溶出による水道水白濁と赤水問題を踏まえ、塩ビ鋼管が特記により使用されるようになり、昭和52年版標準仕様書で「給水管および冷却水管は塩ビライニング鋼管とする」と改正された。同研究所は、この改正の影響が大きく、他省庁および地方自治体、民間工事にも採用が広がったとしている。
それ以前から日本住宅公団(現都市再生機構)が昭和40年代から塩ビ鋼管を給水パイプとして公団住宅に採用していたこと(当時の塩ビ鋼管の出荷量の約18%を同公団が使用したとみられる)、規制緩和の動きにより水道法の大規模な改正が行われたこと(給水装置材料の選定の面でも大幅な規制緩和が実現。平成9年)などにより塩ビ鋼管の採用はさらに拡大し、最盛期には11万トン超の需要があり、他管種の台頭などにより減少傾向にあるものの、公共建築工事におけるシェアは依然70~80%を占めていると考えられる。
環境・リサイクル問題については、平成13年に塩ビ鋼管リサイクル協会が設立され、分別回収システムが立ち上げられ、成果を収めている。同研究所は、こうした歴史を踏まえ、塩ビ鋼管のシェアは漸減しつつも今後も高い市場を維持するものとみている。
管材新聞 2017年10月25日 第1718号より抜粋
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