IDE研究所分析 設備配管の管種選定動向 樹脂ライニング管が依然高シェア
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配管の研究調査と鋼管業界への支援活動を推進しているIDE研究所はこのほど、商業建築の空調衛生設備配管の管種選定動向について、樹脂ライニング鋼管が依然過半数を占めているとの分析結果を発表した。これは、建築設備情報年鑑(建築設備技術者協会)掲載のデータに基づくもの。
今回の基礎データは2017年版同年鑑の竣工設備データで、これは一つの用途について過去5年の情報をまとめており、17年版は商業施設の過去5年間の実績が掲載された(回答131件、有効回答117件)。同研究所代表は、業界団体在籍当時からこれを基に分析し発表しており、今回で30年目。まず給水・給湯・消火管および排水・通気管についてまとめている。
上水管(データ数122件)では、硬質塩化ビニルライニング鋼管が調査開始以来使用比率の首位を維持しているが(45.7%)、前回調査(2012年、127件)の49.4%から3.7ポイント低下している。また、内外面塩ビ(ポリエチレン)ライニング鋼管(SGP-VD、PD)は5.5%(前回調査比0.3ポイント上昇)だった。ライニング鋼管合計では51.2%で、同3.4ポイント低下した。
次いで使用比率が高いのは耐衝撃性硬質塩化ビニル管(HIVP/JIS K 6742)で22.0%、以下ポリブデン管・ポリエチレン管14.2%、一般配管用ステンレス鋼管(JIS G3448)6.3%、その他6.3%と続く。このうちステンレス管については、都心の大型物件での使用が多く、地方の中小物件で使用されるケースは少ない。
雑用水配管(23件)でも、上水管同様に塩ビライニング鋼管の比率が最も高く(60.9%、1.5ポイント低下)、首位を維持している傾向も同様である。また、ポリエチレン紛体ライニング鋼管(SGP-PA、PB/JWWA K 132)は4.3%、内外面ライニング鋼管も同じく4.3%で、ライニング管合計で69.5%(1.3ポイント低下)を占める。
次いでHIVPが8.7%、以下硬質塩ビ管4.3%、ステンレス管8.7%、その他8.8%と続く。
給湯管(69件)では一般配管用ステンレス管(52.2%)の使用比率が高く、次いで鋼管13.0%、耐熱塩ビ管7.2%、耐熱塩ビライニング鋼管10.1%、ポリブデン管4.3%、配管用ステンレス管2.9%、被覆銅管1.4%、その他8.9%。
水消火管(99件)は、消防法(施行規則)の関係で鋼管の使用比率が圧倒的で、末端の配管(特にスプリンクラー配管)では樹脂感が使用される場合がある。管種のシェア順では、配管用炭素鋼鋼管(SGP/JIS G 3452)白管61.6%、圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG/JIS G 3454)17.2%、外面塩ビ(ポリエチレン)ライニング鋼管6.1%、一般配管用ステンレス管5.1%、配管用ステンレス鋼管4.0%、SGP黒管3.0%、その他3.0%と並んだ。
ガス消火管(16件)では、調査開始以来初めてSTPGが最高シェアだった(62.5%)。次いでSGP白管18.8%、配管用ステンレス鋼管12.4%だった。
配水・通気管(74~108件)分野では、硬質塩化ビニル管の使用比率が高い傾向にあり、汚水管で49.1%、雑排水管で51.4%、通気管で53.7%、厨房排水管で41.9%を占める。次いで耐火二層管が高い(汚水管で32.4%、雑排水管で32.7%、通気管で30.5%、厨房排水管で18.9%)。そのほか、HIVP、排水用塩ビライニング鋼管、ノンタールエポキシ塗装鋼管などが使用される。
雨水管(54件)では、過去にSGP白管の比率が高かったが、現在は塩ビ管が51.9%でトップ、次いで白管35.2%、耐火二層管9.3%、その他3.6%と続いている。
管材新聞 2018年7月25日 第1745号より抜粋
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