2018年3月末 汚水処理普及率90.9% いぜん都市・地方で格差大
公開日:
:
業界ニュース
農林水産、国土交通、環境の3省がこのほどまとめた汚水処理人口普及状況によると、2017年度末(2018年3月末)の全国の汚水処理人口普及率は前年度末比0.5ポイント上昇して90.9%となった。ただ、未だ約1200万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、とくに人口5万人未満の市町村の普及率は8割以下にとどまるなど大都市.地方間の格差は大きい。
17年度末の全国の汚水処理施設の処理人口は、前年度末から約40万人増の1億1571万人(10年以降、東日本大震災の影響で調査不能な市町村除く)となった。16年度末に90%超えを達成したが、全体でみると、約1200万人が汚水処理施設を利用できない状況に変わりはない。
また、汚水処理人口普及状況は、大都市と中小市町村でいぜん大きな格差があり、とくに人口5万人未満の市町村の汚水処理人口普及率は79.4%(前年度末比1.1ポイント上昇)にとどまっている。
全国の処理人口を各処理施設別にみると、下水道によるものが1億31万人(前年度末比79万人増)、農業集落排水施設などによるものが344万人(8万人減)、浄化槽によるものが1175万人(横ばい)、コミュニティ.プラントによるものが21万人(1万人減)と、下水道による処理人口だけが増えた。
都道府県別の普及状況をみると、上位10位は東京(99.8%)、兵庫(98.8%)、滋賀(98.7%)、神奈川(98.0%)、京都(98.0%)、長野(97.8%)、大阪(97.7%)、富山(96.6%)、福井(95.7%)、北海道(95.4%)。
一方、70%未満は徳島(60.4%)、和歌山(63.6%)、高知(72.5%)、香川(76.6%)、大分(75.8%)、愛媛(78.1%)、青森(79.0%)と、四国4県の低水準が目立つ。
都市規模別にみると、人口100万人以上の大都市では汚水処理人口普及率99.6%に達し、そのほぼすべてが下水道となっている(下水道99.2%、浄化槽0.3%=端数四捨五入)。
汚水処理人口普及率の全国平均値90.9%を下水道で達成しているのは人口100万人以上の大都市だけで、人口規模の減少に比例して汚水処理人口普及率、下水道普及率とも低下し、浄化槽や農業集落排水施設などの普及率は人口規模と反比例して上昇する。
人口5万人未満の市町村(全国1190市町村、総人口2007万人)の汚水処理人口普及率/普及人口は79.4%/1593万人で、処理施設別の内訳は下水道51.1%、浄化槽19.8%、農業集落排水施設など8.0%であった。人口規模による汚水処理人口普及率や処理施設別の比率の格差の是正が大きな課題となっている。
農林水産、国土交通、環境の3省は、都道府県構想の徹底した見直しを加速させ、より効率的な汚水処理施設の整備及び運営が進むよう3省統一の「持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」を14年に策定。24年程度をめどに汚水処理施設の整備が概ね完了することをめざし取り組んでいる。国は引き続き、地域の実情に応じた整備方法やスケジュールなどを考慮しながら汚水処理施設未普及地域の早期解消に向けた支援を推進していくとしている。
管材新聞 2018年9月19日 第1750号より抜粋
PC
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。関連記事
-
-
11月建機出荷額8.2%増 輸出・内需とも2カ月連続増 油圧ショベル・ミニショベルとも増加
日本建設機械工業会がまとめた11月の建設機械出荷額は、前年同月比8.2%増の2476億円で、2カ月連
-
-
パナソニック エアコン用電設資材など値上げ
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、原材料価格高騰などの影響により19年1月1日から電設
-
-
前澤給装工業 給水装置値上げ 31年4月から10%以上
前澤給装工業(本社・東京都目黒区)はこのほど、来年4月1日出荷分から水道用給水装置製品全般の価格改定
-
-
「エコ対応の管材」 コベルコマテリアル銅管 銅二層管『キュプロサーモCTX』
銅地金溶解から加工・販売まで手がける銅管専門メーカーのコベルコマテリアル銅管社が、これまで培った高い
-
-
フローバル 絶縁工具セット販売開始
継手・バルブ・ホース金具など配管部品専門商社のフローバルはこのほど、電設工事作業で使用頻度の高い絶縁
-
-
昨年の白物家電出荷金額 2年連続増の2.0%増ルームエアコンは6%増
日本電機工業会(JEMA)が1月24日明らかにした2017年(暦年)電気機器の生産実績のうち、民生用
-
-
日本の水道技術は世界一! 「プロフェッショナル 仕事の流儀」が音で漏水を見つける東京都水道局の技術者に密着
NHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の5/18放送分で、水道技術者 笑喜(しょうぎ)久
-
-
日商調べ 中小企業の今年度設備投資44%が前年度並み実施予定
日本商工会議所が5月の早期景気観測(LOBO)調査に付帯して会員中小企業に行った「2019年度設備投
-
-
クリナップ 料理で認知症予防 全3回セミナー受付開始
クリナップは認知症予防について“作って学べる”セミナーを「クリナップ・キッチンタウン・東京」(新宿シ
-
-
〈新製品〉TOTO “気持ちいい”を科学 新「サザナ」
TOTO(社長喜多村円氏)は、戸建向けシステムバスルーム『sazana(サザナ)』をフルモデルチェン






