今年度機械工業生産微増
今年度機械工業生産微増
日本機械工業連合会はこのほど、2019年度の機械工業生産額を前年度実績比0.7%増の76兆6327億円と3年連続のプラス見通しを発表した。リーマンショックで61兆円まで落ち込んだ09年以降では前年度に続き最高額を更新、大分類では3部門が増加を見込んでいる。ただ、米中貿易摩擦など影響で先行き不透明のため、伸び率は鈍化する見通しだ。
本紙関連の「ポンプ・送風機・圧縮機」と「バルブ・コック・鉄管継手」はそれぞれ微増を見込んでいる。
19年度の本紙関連業種の見通しは次の通り。(%は対前年度比)
【一般機械】前年度比0.1%減の16兆3452億円となる見通し。 機種別にみると、ボイラー・原動機はボイラー・タービンが石炭火力向けに厳しさはあるものの、バイオマス発電や輸出に期待、はん用内燃機関はガソリン機関、ガス機関が減少するが、ディーゼル機関の増加を見込み、全体で3.8%増。
土木建設機械は、国内がオリンピック関連需要の縮小の一方で、安定した建設投資の継続が見込まれ微増、輸出は引き続き堅調を見込んで全体で2.0%増。
ポンプ・送風機・圧縮機は合わせて2.5%増を見込んでいる。
油空圧機器は、油圧機器が土木建設機械向け輸出が微減、空気圧機器は引き続き比較的高水準ながら、国内外とも半導体向けの減少が見込まれ全体で2.0%減。
ロボットは人手不足に伴う産業用ロボットへの関心が高まっており国内は堅調だが、輸出は欧米が低調、アジアも多機能携帯電話向けの回復が遅いため3.0%減。動力伝導装置は、スチールチェーンの輸出に減速感があるものの、北米や東南アジア向けが堅調なことから1.6%増。
金属工作機械は、国内が自動化、省力化のための更新投資、海外は北米、欧州が堅調に推移するものの、中国の多機能携帯電話向けなどが厳しいため0.8%減。第二次金属加工機械は、ベンディングマシン、液圧プレスや機械プレスのいずれも増加が見込まれ2.5%増。
食料品加工機械は、製パン・製菓、乳製品、飲料、肉類加工向けの伸びを見込み0.2%増。包装機械・荷造機械は、国内が減少、海外は東南アジア向けの伸びが見込まれ0.2%増。冷凍機・同応用装置は冷凍機、冷凍機応用製品などの高水準の生産が続いているものの、前年度に過去最高だったエアコンディショナが減少すると見込み、全体で1.0%減。半導体製造装置は、高水準だった前年度の反動減により1.9%減。
【電気機械】前年度比0.2%増の7兆9824億円となる見通し。回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置のうち、交流発電機は国内電力向けが増加、交流電動機は堅調、サーボモータは中国経済の減速により減少、交流発電機も輸出が厳しく、開閉制御装置は増加し、全体で0.8%増。
民生用電気機械は、大容量・高機能・高付加価値製品が堅調だが、前年度の反動減を見込み2.2%減。電気計測器は、電気測定器、工業用計測制御機器、放射線計測器、環境計測器が増加、電気計器が減少し、全体では0.1%減。
【精密機械】前年度比0.7%減の1兆5359億円となる見通し。計測機器は、計量機器や試験機が横ばい、光学・精密測定機は国内外とも厳しく、分析機器は微減を見込み、全体で1.0%減。光学機械は、写真機が2.6%増、カメラの交換レンズ・付属品は1.5%増、全体では1.3%増。
【金属製品】前年度比0.7%減の3兆17億円となる見通し。ばねは0.6%減、機械工具は、特殊鋼・超硬工具とも 国内向けが堅調で、輸出は中国向けの落ち込みがあり、全体で2.1%減。ダイヤモンド工具は、ダイヤモンド切削工具、CBN工具の伸びが見込まれ2.2%増、機械工具全体では1.4%減。
バルブ・コック・鉄管継手は五輪や社会インフラ投資などに期待できるものの、電力、造船向けは厳しいと見込んで0.6%減。鋸刃・機械刃物は3.3%増。
【鋳鍛造品】前年度比0.4%増の2兆7825億円となる見通し。粉末冶金製品は1.0%減、鍛工品は0.7%減、銑鉄鋳物は0.7%減、可鍛鋳鉄・精密鋳造品は0.4%減、非鉄金属鋳物は1.3%増、ダイカストは3.7%増。
管材新聞 2019年8月7日 第1780号より抜粋
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