20年度建設投資 前年度微増の62兆7100億円
建設経済研究所はこのほど、2020年度の建設投資を前年度比0.8%増の62兆7100億円と見通した。16年度(前年度比3.7%増)、17年度(3.3%増=見込み)、18年度(0.3%増=同)、19年度(2.2%増=見通し)に続いて増加する。政府投資は0.6%増と、19年度(3.1%増見通し)に続いて増加し、民間投資は1.8%減と、19年度までの5年連続増から減少に転じると予測した。
同研究所の「建設投資の見通し」は、「建設経済モデル」を用い、国民経済計算(四半期別GDP 速報)の19 年4~6月期.1次速報を踏まえて予測したもの。建設投資は、1992年度の84兆円をピークに減り続け、10年度にはピークの半分程度にまで落ち込んだ。その後、東日本大震災からの復興などにより回復傾向を示したが、再び停滞気味となり、14、15年度とも前年度を割り込んだあと、16年度で増加に転じ、17、18、19年度と続伸した。
20年度の建設投資見通しは、政府投資が前年度水準を維持するものの、民間投資が住宅分野で伸び悩み、総額で前年度比0.8%増の62兆7100億円となる見通しである。
政府投資は0.6%増の21兆4700億円で、19年度(3.1%増)に続いて増加する。
国の直轄.補助等事業費については、公表された20年度予算の各府省概算要求の内容などを踏まえ、一般会計に係る政府建設投資を前年度当初予算から微増とし、また、東日本大震災復興特別会計に係る政府建設投資は公表された20年度予算の復興庁概算要求の内容等を踏まえ、それぞれ事業費を推計したとしている。また、地方単独事業費については、総務省がまとめた令和2年度の地方財政の課題で示された地方財政収支の仮試算の内容を踏まえ、20年度予算について前年度並みとして事業費を推計したとしている。
一方、民間投資は、住宅分野では分譲戸建てが着工増となるものの、持家、貸家及び分譲マンションの着工減が見込まれることから住宅着工戸数は前年度比4.2%減、民間住宅投資全体で1.2%減の17兆200億円と予測した。
持家は、政府による住宅取得支援策の効果が弱まると見込まれるため、前年度比減少と予測。貸家は、減少率は小さくなるものの、状況に大きな変化はないと見込まれるため、前年度比減少と予測。分譲マンションも状況に大きな変化はないと見込まれ、前年度比減少と予測。分譲戸建ては、引き続き開発が前向きに進められていくと見込まれるため、前年度と同水準と予測。
また、非住宅分野では民間非住宅建築着工床面積を前年度比0.2%減と予測し、非住宅建築投資は1.3%増、民間土木投資は6.1%増、非住宅建設投資全体では2.9%増の17兆9100億円と予測した。
事務所は、大都市圏を中心とした大型再開発プロジェクトなどの着工が見込まれることから着工床面積は引き続き堅調に推移する見通し。店舗は、14年度から減少傾向が続いており、19年度も4~7月の累計で前年度比20.9%減となり、受注額も同期間累計で前年度比32.2%減となっている。工場は、18年度までの老朽化に伴う新設や能力の増強などの投資の勢いが鈍り、19年度に入ってから減少が続いている。倉庫は、高機能.マルチテナント型物流施設などの着工が控えていることから増加傾向で推移するとみられる。
民間土木投資は、27年開業予定のリニア中央新幹線(品川.名古屋間)など大型プロジェクトへの投資が見込まれ、底堅く推移するとみられる。
20年度の建築物リフォーム.リニューアル投資は、1.2%増の7兆7100億円(うち民間投資は1.0%増の6兆3100億円)を見通している。
なお、19年度の建設投資(見通し)は、前年度比2.2%増の62兆2100億円。このうち政府投資は3.1%増の21兆340億円と、18年度(2.6%減)の低迷から増加に転じた。民間住宅投資は1.8%増の17兆2200億円、民間非住宅投資は1.9%増の17兆4100億円。
管材新聞 2019年10月23日 第1788号より抜粋
PC
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