企業景況見通し 大・中堅で「上昇」、中小は「下降」

公開日: : 業界ニュース

内閣府・財務省の第59回法人企業景気予測調査(調査時点2018年11月15日)によると、足元(10~12月期)の景況判断BSI(「上昇」から「下降」を引いた社数構成比)は大企業、中堅企業で「上昇」超となったが、中小企業では「下降」超となり、1~3月期、4~6月期でも同様の見通しを立てていることが分かった。中堅企業では製造業が先行きに厳しい見方をしている。

10~12月期の企業の景況現状判断は、大企業製造業でプラス5.5、非製造業でプラス3.7、大企業全体でプラス4.3と堅調である。1~3月期見通しでも全体でプラス4.7(製造プラス4.2、非製造プラス5.0)とほぼ現状維持を見通しているものの、4~6月ではプラス1.4(製造プラス0.2、非製造プラス1.9)とかなり後退するとみている。

中堅企業は先行きについて大企業よりさらに厳しい見方をしており、現状判断は製造業がプラス7.8、非製造業がプラス5.5で、全体でプラス6.0と好調だが、1~3月期見通しでは全体でプラス3.5(製造マイナス2.0、非製造プラス5.1)と、製造業の悪化でペースダウンし、4~6月期見通しでプラス0.4(製造プラス3.5、非製造マイナス0.5)となり、製造業でやや回復を見通すものの、非製造業で落ち込むと見通している。

一方、中小企業では全業種で現状、見通しともマイナスと厳しい業況がうかがえる。現状判断で製造業がマイナス6.4、非製造業でマイナス4.6、全体でマイナス4.6と低迷し、1~3月期見通しは全体でマイナス6.5(製造マイナス9.0、非製造マイナス6.0)といぜん落ち込みが続き、4~6月期についても全体でマイナス4.2(製造マイナス6.0、製造マイナス3.9)と回復のめどを見出せないでいる。

企業の「国内景況」の認識については、現状判断として大企業はプラス4.7、1~3月期はプラス3.3、4~6月期はプラス3.5と概ね堅調な見方をしている。中堅企業は現状判断が3.8、1~3月期はプラス2.0、4~6月期はプラス2.6としている。中小企業は現状判断がマイナス3.0、見通しも1~3月期でマイナス6.7、4~6月期でマイナス4.1と厳しい見方が主流だ。とくに、製造業は現状マイナス4.8、1~3月期マイナス8.3、4~6月期マイナス6.1と厳しさがうかがえる。

雇用面については、従業員BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた社数構成比)は、現状判断で大企業がプラス21.7、中堅企業がプラス36.0、中小企業がプラス30.2と、中堅企業の不足感がより強い。先行き見通しも同様の見方を示している。

19年度の企業収益見通しについては、売上高で大企業は「18年度並み」が全体の39.7%と最も多く、次いで「増加」の31.5%、「減少」は8.9%となっている。中堅企業では「18年度並み」41.2%、「増加」36.4%、「減少」14.0%、中小企業では「18年度並み」の44.2%に次いで「減少」が23.7%を占め、「増加」は21.6%にとどまっている。

経常利益については大企業、中堅企業、中小企業とも「18年度並み」を見通すところが4割強を占めており、中小企業では3割近くが「減少」を見通している。大企業の「減少」は13%、中堅企業の「減少」は19%となっており、大・中堅と中小の格差が一段と広がる見通しとなっている。

19年度の設備投資をみると、大企業では20%の企業が「増加」とし、「減少」は14%、中堅企業では「増加」19%、「減少」17%を見通している。中小企業は「増加」が10%にとどまり、「減少」も14%しかなく、残り(36%)は「不明」とし、業績の先行きを見通せない現状を示している。

管材新聞 2019年1月16日 第1761号より抜粋

PC

フローバル ペアコイル

最後までお読み頂き誠にありがとうございます。

お手間でなければぜひ本記事のご紹介をお願いします。

関連記事

環境ラベル制度 ラベルデザイン アイコン

日本バルブ工業会 「環境バルブ」ラベルデザイン決定

日本バルブ工業会は、今年度開始の「環境配慮バルブ登録制度」のラベルデザインを決定しました。 昨

記事を読む

管材新聞 アイコン

古島と日本管材センターが業務提携

古島と日本管材センターの両社は11月1日付で業務提携契約を締結した。 古島は地方を中心に営業基

記事を読む

タカラスタンダード第2四半期決算 新築・リフォームとも中高級品好調で増収増益 不透明な市況ふまえ通期予想は据え置き

タカラスタンダード(社長渡辺岳夫氏)が11月5日発表した2020年3月期第2四半期決算(4月1日~9

記事を読む

管材新聞 アイコン

15年度末下水道普及率 全国平均77.8% 整備人口151万人増加

国土交通省がこのほどまとめた2015年度末(16年3月末)の全国下水道処理人口普及率は、前年度末比0

記事を読む

大阪管材組合 組合員企業を対象に 採用向けHP作成

大阪管工機材商業協同組合(理事長久門龍明氏)では、人材確保委員会(委員長多田修三氏)が中心となり、組

記事を読む

おうちまもるくん OMK

鶴見製作所 ツルミ簡易止水装置OMK型「おうちまもるくん」

近年、地球温暖化、ヒートアイランド現象によるゲリラ豪雨により、コンビニ等に代表される店舗の防水処置を

記事を読む

管材新聞 アイコン

今年度 白物家電微減見通し ルームエアコンも横ばい

日本電機工業会(JEMA)がこのほど明らかにした2018年度の電気機器の生産見通しのうち、白物家電の

記事を読む

LIXIL リフォームフェア2016 アイコン

LIXIL「リフォームフェア」全国6か所で約10万人動員 三位一体で需要創造

LIXILは今年、全国6会場で流通店などと協働で「リフォームフェア2016」を開催。合わせて

記事を読む

管材新聞 アイコン

モノタロウ 熱中症対策で「熱さ指数計」が売れ筋に

真夏日、熱帯夜が連日発表され、熱中症に配慮する季節がやってきました。今年5月、厚生労働省は、職場での

記事を読む

管材新聞 アイコン

モノタロウ カスタマイズ注文サービスを拡大

MonotaRO(モノタロウ)は、Webサイトでの注文時に仕様を選択できることで発注業務の効率化とコ

記事を読む

PC

フローバル ペアコイル

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PC

フローバル ペアコイル
電動工具 作業風景
電動工具の種類と選び方から用途別の特徴などをご紹介

大工さんや空調設備、水道屋さんなどのプロの職人さんが使うものから、

〈新製品〉ノーリツ ハイブリッド給湯機『ユコアHYBRID―S』価格を抑えた給湯・ふろタイプ 4月発売

ノーリツ(社長國井総一郎氏)は、省エネ・環境性に優れた家庭用ハイブリッ

〈新製品〉TOTO “気持ちいい”を科学 新「サザナ」

TOTO(社長喜多村円氏)は、戸建向けシステムバスルーム『sazana

ワキタ HPG6500is

ワキタ(本社・大阪市西区江戸堀1の3の20、社長脇田貞二氏、℡06―6

タカラスタンダード第2四半期決算 新築・リフォームとも中高級品好調で増収増益 不透明な市況ふまえ通期予想は据え置き

タカラスタンダード(社長渡辺岳夫氏)が11月5日発表した2020年3月

→もっと見る

  • 配管部品.com

    配管部品 楽天市場店

    配管部品 YAHOO店

    配管部品ドットコム Amazon店

    電材部品 ブログ

    電材部品 楽天市場店
PAGE TOP ↑