ポンプ動向記事 2016年3月
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業界ニュース
ポンプの景況が徐々に回復してきた。経済産業省集計のポンプ生産高をみると、ここ数年減少を続けていた生産金額は、2015年で前年比9%増の2436億円と、14年(前年比1%減)から大きく盛り返し、数量ベースでも4%増と回復した。また、日本産業機械工業会(産機工)まとめの15年のポンプ受注額も電力業、卸・小売業、化学工業、鉄鋼業、情報通信機械業などからの受注が好調で、前年比11%増と、14年(2%減)の低迷から増加に転じた。
ポンプの主要市場である建築・建設が好調に推移し、この旺盛な建設投資を受けてポンプは建設関連を軸に堅調に需要が伸びているほか、幅広い産業分野で設備投資が高まっていることからに景況が好転しつつある。ポンプ景況の一種のバロメータとされてきた「新設住宅着工件数」も昨年は前年比2%増の90万9299戸となり、建設経済研究所によると、16年度も増加(4%増)を予測している。
全国では大小合わせて百数十社のポンプメーカーがあるとされる。その多くをカバーする経済産業省まとめの「ポンプ生産高」の生産金額は08年に前年比1%減と低迷し始め、09年6%減、10年8%減、11年横ばい、12年7%減、13年1%減、14年微減と長期にわたり伸び悩んだ。
しかし、昨15年の生産金額は2436億円、前年比9%増加し、近年にないペースで回復した。生産台数の約3割を占める主力の「うず巻ポンプ」が9%増となったのをはじめ、「回転ポンプ」9%増、「耐食性ポンプ」5%増、「その他のポンプ」21%増と、「水中ポンプ」(11%減)を除き、多くの品種で堅調に推移した。
一方、大手・準大手のポンプメーカーが会員の「産機工」の2015年の「産業機械受注状況調査」によると、ポンプの受注額は11%増の3687億1400万円で、14年(前年比2%減)の低迷から増加に転じた。内需は民需製造業・非製造業、官公需とも前年を上回り、外需も増加した。
今後、ポンプの景況は次第に好転するとの見方が多い。ただ、長期にわたる需要低迷で実勢価格はメーカー、流通ともかなり落ち込んでおり、依然として実勢価格の建て直しがポンプ製造・流通両業界最大の課題として立ちはだかっている。
管材新聞 2016年3月23日 第1661号より抜粋
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